社長コラム

【月刊あめのもり】2020年10月「きほんルールそのいち。そのきほんルールをきちんと更新する!?」

雨森武志

雨森 武志

UPDATE 2020.10.31

さあ、今月も月1コラムがやってきました。

先月のコラム(気になる方はコチラを)で紹介した「雨森武志のきほんルール100」。
自分自身に100個のルールをもうけて、
順番に更新していくというインスタでのプロジェクトです。

このコラムで紹介するために、まず10個をいっきに更新して(これはやりました)、
その後は、2日に1個ずつくらいを更新するつもりで、
100個のうち70個を用意した状態でスタートしたのですが……

習慣づいていないというのは恐ろしいものです。
忙しさを理由に、まったく更新できなかった! 
それもあってか、ぜんぜんフォロワーも増えなかった!(当たり前か……)

ということで、急遽さらに5つを更新し、
その内容を少しだけ振り返っていく形で、
今月の月1コラムとします。

さあ、ここからは定期的に更新していくぞ!

そもそも、どんなもの?

まずは最初のポストで書いた、プロジェクトの説明文を引用してみましょう。

クリエイティブ & ブランディングカンパニー
株式会社アイタイス 代表取締役の雨森武志です。

普段はお仕事として、企業の経営理念や行動指針をつくっています。

そこで自分自身にも行動指針、つまり生活のマニュアルとなる
100個の「きほんルール」をつくってみました。

「マニュアルがある」「やり方が定められている」ということは、
「個人から自由を奪う」ということではなく、
「迷わなくていい部分では迷わない」という効率的な観点からも、
「常に一定の品質を担保できる」という再現性という観点からも有益であり、
個人のクリエイティビティは、マニュアルの上に乗るものだと考えます。

行動指針は経営理念においてもっとも下位概念に位置するものであり、
いっさいの抽象度を排し、行動レベルの言葉になっていなければなりません。

したがって、当然ながら、実際にできない理想論は掲げない。
逆に、当たり前のようにできることも掲げない。それが大事です。

なお、このきほんルールは、あくまで私個人に対するものであり、
他の多くの人に適用できるとは思っていません。

【自分について】

1980年生まれ。大阪府出身。
現在3歳の娘と0歳の息子を持つ2児のパパ。

クリエイティブディレクター / ブランドコンサルタント / コピーライター。

株式会社アイタイス 代表取締役。
「住」を基軸としたライフスタイルメディア『リノスタ』編集長。
マンガ文化の発展に寄与する『FUKIDASS』ファウンダー。

社長でありながら、経営や組織運営より、家事の方が圧倒的に得意。
そして、仕事より家族の方が圧倒的に大事です。

ただ、だからこそ、その家族のために、
仕事の質を圧倒的に上げたいと強く願っています。

はい。まあこの通りなんです。

ことの発端は、数ヶ月前。
とある企業の行動指針の策定に携わり、
クライアントもプロジェクトチームを結成して、
すごく前向きに取り組んでくれていました。
それが僕の中で、すごく有益なものになった気がしたんです。

そもそも引用の中にもありますが、
ルールが明確になっていることのメリットは明らかで、
定められたルール上に、個人の自由な発想や行動が乗っかっているのがベストな状態だと思います。
まずはルールづくり、仕組みづくりが大切。それが組織においての定石です。

なんですが、それって個人にも当てはまるんじゃないの? と感じたのがきっかけです。

100個にしたのは、言わずもがな松浦弥太郎さんのパクリ(笑)

そういえば、今まさに日経の「私の履歴書」で連載されている
KDDIの小野寺さんの記述の中にも同じようなくだりがありますね。
京セラの稲盛さんがつくった「京セラフィロソフィ」に倣って、
「DDIフィロソフィ」をつくった、みたいな。これがまさに行動指針ですね。

10月29日の日経から

ちなみに、例えば僕はここ2〜3年、
来る日も来る日も同じ服を着ていて(洗濯はしていますよ。同じ服を何枚も持っているだけ)、
そういったものも、いわば基本ルールなのですが、
それに関しては、もうここに掲げなくても当たり前のようにできるので、ここでは省いています。

「やれないことは書かない」「書かなくてもやれることも書かない」というのが大前提ですね。

では、先月末にあげた10個と、先日あげた5個の計15個を、
今日は更新した順番ではなく、カテゴリごとに見ていきましょう。

本当はここに「更新すると決めたものは、きちんと更新する」を追加したい!
情けない限りです……。いや、今度こそは!

1:「生き方」に関するルール

『ため息は、暴力。』

『ため息は、暴力。』

強い他責を感じさせ、
不必要な緊張感を走らせるのがため息。
それは言わば暴力であり、会社での
社長のため息は、パワハラでもある。
人がいるときには、絶対に禁止。
自分だけの空間では、いくらでも。

家でも会社でも、周りに人がいる時にはため息をつかない。
これ、難しいです。なんか、特に意味もなくついてしまう。

だからこそルールにしました。

『見た目至上主義。』

見た目至上主義。

人は見た目が9割。いや、もっと。
どれだけいい発言をしても、
相手に残る印象は、ほぼ見た目。
散髪は月に1回が基本。
「いい歳だから」と照れることなく、
パーマも、眉毛のスタイリングもする。
服装はもちろん、爪の先まで
常に意識を巡らせる。

見た目と言っても、別にイケメンであれとか、そういう意味ではなく、
またブランド品を身に着けろとかっていう意味でもありません。

清潔感があって、自分なりの美学にかなった見た目を保つ。
どんなときでも、人とあって恥ずかしくない状態でいる。

仕事でのアウトプットの品質と同じくらい大切にしたいですね。

『迷ったら、定番品を買う。』

迷ったら、定番品を買う。

保湿はイソップ、トースターは
バルミューダ、イヤホンはAirPods……。
奇をてらうことなく、定番品を買う。
それらは多くに選ばれるだけの
堅牢性とデザインが備わっており、
価格も相応に落ち着いている。さらに
「これを選んだ自分を評価して」という
自己顕示欲も持たずにすむ。

若い頃はむしろ「定番品は選択肢から外す」というのが
自分の中で大切な価値観でしたが、やはり年を重ねて、考え方は変わりますね。
特に理由がなければ、定番品を買う。そう決めています。

ちなみにそのコンセプトをそのままブランド化したのが、
僕も一部愛用している『THE』ですね。

『22時以降、スマホ禁止。』

22時以降、スマホ禁止。

必要な情報を見逃さないことより、
不必要な情報を入れないことに
意識的になるべき時代。
平日の22時以降は、
スマホを目の届かないところへ。
パソコンの電源も極力オフにして
仕事をするなら手書きタイムに。

なぜ22時かというと、
息子の寝かしつけが完了するのが、だいたい22時だから。

そこから寝るまでが、僕の中では非常に大切な時間になります。
それをスマホやSNSに奪われるのはもったいない。

いまは充電器を自分の部屋ではなく、玄関に置いていて、
22時から朝起きるまでは手にしないようにしています。

『芸能・ゴシップネタのネットニュースは見ない。』

芸能・ゴシップネタのネットニュースは見ない。

一度それを見たら、
次々に気になるタイトルが出てきて
抜け出すことができなくなり、
ただただ無益な時間がすぎていく。
そのすべては自分に関係ないと認識し、
タイトルの誘惑に負けず、
ひとつ目を見ない。
(スポーツ関連はOK)

これも本当に難しい。
なにせ相手はグーグル、ヤフーという人間の心理や行動をすべて把握している強敵ですから。
僕が興味を持ちそうなタイトルをエンドレスで表示してきます。

その誘惑に負けていくつかの記事を見てしまったとして、
そこに有益な情報があったかというと、大抵の場合、ゼロなんですよね。

もちろん時間に余裕があれば、そこまでストイックにならなくてもいいんでしょうけど、
今の僕はやはり仕事や子育てで忙しい。
何も残らないことに時間を割くのは避けたいところです。

『上質でシンプルが8割。個性を出すトガリが2割。』

上質でシンプルが8割。個性を出すトガリが2割。

毎日着る服は、
周りの景観に違和感なく馴染む
シンプルなものが全体の8割、
自分らしさを表現する
少しトガッたものが2割でまとめる。
シンプルだけではダメ。
2割を超えてもダメ。

これももっと若い頃であれば、8:2なんて比率ではなかったと思いますが、
今は長く着れる、シンプルで本質的に良いものを選びたい、というのがベースにあります。

でも昔の名残なのかな……。やはり自分らしさというか、もしかしたら周りが設定した
「アメヤン(=僕のあだ名です)らしさ」みたいなものも取り入れたいという気持ちもなくなりません。

ということで、8:2のブレンドで。

『体の変化に敏感に。』

体の変化に敏感に。

ストレスなく暮らし、
ストレスなく仕事をするために、
特に「肌」「鼻づまり」「排便」の
3つに常に気をかける。
体は素直に状態を伝えてくれる。
不調を覚えたら、すぐに対応。
市販の薬は効かないと思え。

地味ながら、非常に的確なシグナルを送ってくれるのが、この3つです。

その信号に対して常に敏感な状態をキープし、キャッチしたらきちんと病院にいく。

当たり前のことなんですが、やはり面倒くささが立ちはだかりますよね。

『帰宅後すぐに、かばんの中身をすべて出す。』

帰宅後すぐに、かばんの中身をすべて出す。

仕事用もプライベート用も、
家に帰ったらすぐにカバンの中身を
すべて出し、定位置に戻す。
そうすることで、
普段持ち歩くものを常に把握でき、
またそれらを最適化し、
更新し続けることができる。

カバンの中に入っているものを
すべて把握できない状態は、非常に気持ちが悪いですよね。

また、その中身の最適化をはかるためにも、常に更新しつづける必要があります。
そのためには、毎回、いちど全部出しをすべきですよね。

2:「仕事」に関するルール

『決まった時間以外、外部とは連絡をとらない。』

決まった時間以外、外部とは連絡をとらない。

連絡をすれば、返事が来る。
返事が来たら、また対応する必要が出る。
そうなると、エンドレスの始まり。
その結果、自分の作業時間が削られ、
仕事の質にも影響が出かねない。
急を要するもの以外は返さない
時間を設定し、それくらいの遅レスで
崩れない関係を品質で構築する。

一般的に仕事においては「即レス」が価値とされていますが、
とはいえ我々は救急病棟で働いているわけではなく、
1分1秒を争うかと言われると、そうではありません。

むしろクライアントのことを大切するためにも、外部との連絡に時間を割かない時間をつくる。
それがアイタイスの決まりです。

ただ丸1日ほったらかし、なんてことはないので、ご安心を。

『商談はアナログで。パソコンは開かない。』

商談はアナログで。パソコンは開かない。

商談はアナログスタイルが基本。
パソコンやタブレットを開いてしまうと、
当然ながらメールやチャットが見えて、
そちらに多少なりの意識が行く。
モニターで見せる必要がある場合は、
その時に開き、見せたら閉じる。
目の前のお客様に全意識を向けるために。

そもそも打ち合わせに置いて手書きのメモは最強です。

重要な部分を強調したり、関係性のある要素をつなげたり、
そんなことをあそこまでフレキシブルに、視覚的に叶えてくれるツールはありません。

と、わかってはいるのですが、やはり面倒くささが勝って、
パソコンを開いてしまうことがあるんですよね……。

自戒の念を込めまくって。

『部下を信じる。無条件に、どこまでも。』

部下を信じる。無条件に、どこまでも。

部下がミスをした時、想定していた
パフォーマンスを出せていない時、
彼らを咎める必要ない。
自身が一番それを自覚し、
悔い改めようとしているはずだから。
そう信じることができなくなったなら、
それは一緒に働くのをやめる時。

ここでは大事なのは「担保つきの信用」ではなく「無条件の信頼」

これは部下だけでなく、外注しているクリエイターたちにも言えることです。
みんな、信頼してるよ。

『1日の終わりは、机の上に何もない状態に。』

1日の終わりは、机の上に何もない状態に。

会社のデスクも自宅のデスクも、
ダイニングテーブルもこれが基本。
物理的に、そして精神的にも
いちど区切りをつけ、
最もいい状態で翌日を迎えられるように。

これは会社のルールにもしているし、
自宅でも寝る前には、自分のデスク、ダイニングテーブル、リビングのローテーブル、
すべてをこの状態に戻すのが僕のルールです。

精神的なリセットの意味合いが大きいですね。

『外部への連絡は、7時から、21時まで。』

外部への連絡は、7時から、21時まで。

夜遅くまで働いていることは
とても恥ずかしいこと。
そして眠気と戦いながらの仕事は、
クライアントにも失礼なこと。
それでもやらざるを得ない場合は、
こっそりと、他人にはひた隠しにすべし。
従って、外部への連絡もしない。
特に部下への連絡は絶対NG。

助成金の申請代行をお願いしているとある業者さんが、
いつも夜中の2〜3時にチャットで連絡を入れてきていました。

それを見たときに感じたのは「夜中まで頑張ってくれてる!」ではなく
「なんて不快なやつなんだ!」っていう、どこまでもネガティブな感情でした。

自分も注意しないといけません。

3:「家族」「じぶん磨き」に関するルール。

『子どもを、頭ごなしに叱らない。』

子どもを、頭ごなしに叱らない。

どれだけ泣いてダダをこねていても、
そこには彼女・彼らなりの理由があり、
それを伝える術を持たないだけ。
そんな状況の中で、強く叱ったり、
何かを取り上げて届かない場所に
置いたりするのは、
大人の理屈だけで行う卑怯なやり方。
辛抱強く、同じ視点で、対話する。

子どももまだ小さいので、やはりうまく意思疎通できないことは多々あり、
急いでいること(これもこっちの都合)を理由に、ついついきつく怒ってしまうこともあります。

そしてその後に訪れるのは、いつも後悔の念
まあ子育てあるあるだとは思いますが。

頭ごなしに怒っても、何も解決しませんよね。

『体重管理。理想は60キロ。絶対に65キロは超えない。』

体重管理。理想は60キロ。絶対に65キロは超えない。

体が重く感じると、心も重くなり、
着ている服も似合わない。
また、キレイな体型を
維持している人と向き合った時に、
自分を情けなく感じると、
仕事の質にも関わってくる。
自信を持って発言、行動するためにも
絶対に太らない。

そもそも僕は食べることが大好きなので、油断するとヤバいです。
特に半年ほど前、自粛期間は恥ずかしい体型でした。

いまけっこう戻ってきていますけどね。

はい、今日はここまで。

とりあえず15個を簡単に紹介しました。

冒頭に書いたとおり、すでに70個は用意していて、
最終的には本にして持ち歩きたいとすら思っています。

みなさんも、ぜひインスタのアカウントをフォローして応援してください。

さて、来週末は、弊社の西村がずっと制作のお手伝いをさせてもらっていた
革とモノづくりの祭典 浅草エーラウンド2020秋(オンライン・ライブ配信)』がついに開催になります。

僕も生放送のMC役として、たくさんの番組に出演する予定ですので、
みなさん、ぜひご覧ください。詳細は公式サイトより!

革とモノづくりの祭典 浅草エーラウンド2020秋(オンライン・ライブ配信)

ではまた来月!

Editor’sNote

雨森武志

雨森 武志

五反田に小さなオフィスを構えるブランディング&クリエイティブカンパニー、アイタイスの代表です。

100の基本 松浦弥太郎のベーシックノート

1,650(税込)

レビュー

松浦弥太郎が自分の基本として書き出し普段から意識している100の項目。『100の基本』は、自分を知るために、自分について考えるために、自分を整理するために、自分の成長のために、自分の学びのために、そして自分らしくいるために、しっかりと身につけておきたい基本の心がけです。