社長コラム

【月刊あめのもり】2021年11月「大好きです。今度は嘘じゃないっす」

雨森武志

雨森 武志

UPDATE 2021.11.30

みなさん、こんにちは。雨森です。

毎月末日の午前9時30分に更新されるこのコラム。
毎回読んでくれている方には、もう説明の必要もありませんね。
今回も読者の皆さんのご期待にお応えして(!?)、
公開直前、11月30日の朝方にキーボードを叩いております。

明日は朝イチから少し離れた場所にあるクライアントの訪問なのに……
トホホ。。。

リーダーとしての威厳、ゼロ!(爆)

さて、これまでメルマガなどで少しお伝えしてきましたが、
来春に向けて、アイタイスでは初の新卒採用を行う予定で、
今年の春あたりから面接などを進めておりました。

ちなみにその学生は、近畿大学の4年生で現在大阪在住。

ということで、先日の大阪出張に合わせて最終面接を行ってきました。

面接といっても、すでにオンラインで何度か話はしていたので、
とってもカジュアルなもの。僕が伝えたのは、、、

ほんまにアイタイスでええの?

最初はもうちょっとちゃんとした会社の方がええんちゃう?

という不安の言葉と(念のため書いておくと、アイタイスもちゃんとした会社ですけどね)

アイタイスに入社するために上京するってことになるやん?

受け入れる側として、ハードルが高いんやけど。。。

という泣き言にも似た言葉(爆)

つまりなんというか、社長としての威厳とか、度量の大きさみたいなものは一切なし。

「うちみたいな会社に、、、ほんま、すんまへん、、、」

みたいな、弱々しい僕がいました(笑)

ドーーーーーーーン! と決めゼリフを。

それは冗談として、繰り返しになりますが、面接といっても、
とにかく最終判断をくだす前に、その学生の人となりというか、
雰囲気を見たかったのだけなので、取材先の近くにあった
スタバでただただ世間話をしただけ。

前日までもずっと多忙を極めていたので、
伝えるべき内容も特に決めていなかった僕は、
無意識のうちに、こんなことを話していました。

仕事って、めっちゃおもしろいで。

学生より社会人の方が楽しいんじゃないかな。

ここまで書いて思い出す、ちょっとしたエピソードがあります。
それは僕が20代の時に、サラリーマンをしていた頃のお話。

直属の上司だったディレクターはとても厳しくて、僕はいつも怒られてばかり。
その日も、僕がちょっと軽い仕事の取り組み方をしたことで、呼び出されていました。

その場で言われたのは、要約すると「もっと時間をかけろ」ということ。
さらに言うと「いいものが出せないなら、寝る時間を削れ」みたいな。今とは時代が違いますからね。

さらにその上司はこんなふうに話を続けます。

なんで他の先輩たちがそれをできるか、わかるか? それはな、、、

みんな仕事が、そしてクリエイティブが、好きやからや!!

ドーーーーーーーン!

決め台詞のように、そんな言葉を残していたことをよく覚えています。

しかしその時の僕は、あまり納得できなかったのが正直なところ。

なぜなら、そもそも僕と同じくクリエイティブワークに臨んでいる現場のスタッフが、
その上司が考えているほど、前向きに仕事に取り組んでいるわけではないことを知っていたから。

僕は「『好き』が理由でやっているなら、給料はそのままで、みんなに倍の仕事を与えたらどうですか? 喜ばれますよ」と皮肉めいたことを言おうかとも思いましたが、
それほどの勇気はなく、「はぁ、すいません」とうなだれ、その場を終わらせるために、
「僕も仕事が、そしてクリエイティブは大好きです」と、ある意味“嘘”の言葉を残したかもしれません。

そんな経験もあってか、これまでずっと「仕事が好き」みたいな物言いをする人を
あまり信用できなかったし、特に組織の上から下に向かってそういうメッセージを
発信することには注意が必要だとずっと思いながら過ごして今に至っています。

が、もう我慢できない。言ってしまおう。今なら言える。

仕事はやっぱり楽しいし、僕は仕事が大好きです!

ドーーーーーーーン! 

掃除は嫌い。スッキリは好き。仕事に置き換えると?

もちろん細かく言えば、仕事は楽しいことばかりではありません。

当然ながら、家族や友人と遊ぶ休日の方が楽しいし、
金曜の夜はテンションが爆上り、月曜の朝はテンション爆下がりです。
それは当たり前。そんなレベルの話をしているわけではありません。

適切な例えになるか分からないですが、
「掃除」という行為自体は、少なくとも僕には楽しくないものです。

掃除機をかけるのも、窓ガラスを拭くのも、トイレの便器を磨くのも、
僕にとっては面倒くささや鬱陶しさしかありません。
お金を払って誰かに頼むだけの余裕があれば、迷うことなくそうします。

つまり「仕方ないからやっている」「イヤイヤやっている」。それが掃除です。
掃除という行為そのものを好きな人がいるのも知っていますが、
多くの人はそうだと思っています。やらないでいいなら、それに越したことはない。

つまり“手法”の部分だけを考えると、楽しいわけがないんですよね。
サラリーマンだった僕は、仕事に対して、そういう見方をしていたんだと思います。

しかし、“それによってもたらされること”に目を向けると、考えは変わります。

掃除をすることで得られるスッキリと整理された清潔な空間での気持ちよい生活
その価値は半端なものではありません。そこに意識を向けたいですね。

仕事に置き換えてみましょう。

今の僕のように、コピーを書いたり、WEBサイトやグラフィックツールをつくったり、
さらにプロモーションの戦略を考えたり、はたまた会社や商品、サービスなどの
軸となる価値を言語化したり、、、

そのプロセスのほとんどは楽しくありません。しんどいです。
人なみに責任感もあり、妥協もできないので、辛いことばかり。

しかしそれによってうみ出されるものはどうでしょう。

僕のような一個人、もしくはほんの数人のチームによる取り組みが、
何十人、時には何百人の規模の会社の成長に貢献することとなり、
その中で人との出会いもあり、自分自身の成長まで見込めるわけです。

こんな嬉しいことはありません。それこそテンション爆上がりですよね。

しかも、そのうえで、お金までもらえる。

わ、メリットしかねぇ!

楽しさしかねぇ!

思い切って、花道の名言を借りましょう。

大好きです。(サラリーマンの時と違って)今度は嘘じゃないっす。

ドーーーーーーーン! 

はい、今日はここまで。

、、、みたいな“仕事論”を、スタバでコーヒーを飲みながらする
41歳のオッサンの姿は、22歳の学生にはどう映ったのでしょうか。

サラリーマン時代の僕と同じように、すこし懐疑的に見えたのか。もしくはわりと共感してもらえたのか。
その答えは、彼がアイタイスで働き、しばらく経てば自ずと分かるかもしれません。

そして、仕事に臨むスタッフたちが、
「楽しい」「成長できている」「言われなくても頑張りたい」と自然に思える
環境を整備することこそが、我々マネージャーの役目であると感じます。

最後にもう一度、言っておきましょう。

仕事は楽しいし、大人は楽しい。東京の生活だって、楽しいよ。一緒に頑張ろう。

時間がなくて、まったく画像のないたんぱくな記事でしたが、今日はここまで。

あとメルマガには書きましたが、明日、12月1日と2日は弊社がお手伝いをする
『東京レザーフェア』というイベントが開催され、インスタライブの司会を僕が担当します。

平日のお昼間ではありますが、都合のつく方はぜひ。
以下のアカウントから視聴できますよ。

https://www.instagram.com/tlf.japan/

ではまた。おやすみなさい。

Editor’sNote

雨森武志

雨森 武志

五反田に小さなオフィスを構えるブランディング&クリエイティブカンパニー、アイタイスの代表です。

仕事は楽しいかね?

1,430(税込)

レビュー

出張の帰りに、大雪のため一昼夜空港のロビーに足止めされた「私」。そこで出会ったある老人に、つい仕事で鬱積(うっせき)した感情をぶつけてしまう。老人は実は、企業トップがアドバイスをほしがるほどの高名な実業家。その含蓄ある言葉に「私」はしだいに仕事観を揺さぶられていく。