ブックレビュー

【なぜ、あなたの仕事は終わらないのか】仕事は、何のためにするもの?

田村めぐみ

田村めぐみ

UPDATE 2019.08.13

学生の頃は「なんで学校に行かなくてはいけないのか」、そして社会人になると「なんで仕事をしなくてはいけないのか」と一度は考えたことがあるのではないでしょうか? 実際に私も考えていましたし、いまだにその理由はわかりません。ですが、この本を読んで、ヒントがあったような気がしました。
あなたは何のために仕事をしていますか?

向き合うべきは、大量の資料ではなく、与えられた時間。

マイクロソフト社で『windows 95』の設計を手がけた中島聡の著書『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか』。“伝説のプログラマー”と称される彼が、仕事をする上で大切にしているのは、常に“時間”と向き合うということでした。

仕事が終わらなくなる原因の9割は、締め切り間際の「ラストスパート」が原因です。

(第4章「スタートダッシュで一気に作る」より)

彼が成功した秘訣。それは『ロケットスタート時間術』だといいます。

文字から読み取れるように、肝心なのは、締め切りの直前でラストスパートをかけるのではなく、スタートダッシュすること。たとえば、上司から「10日で仕上げてくれないか」と仕事を頼まれたら、あなたはどのような時間配分で作業を行いますか?

具体的な見積もりの仕方は、「最初の2日で仕事の8割を終わらせる」

(第4章「見積もるには、とにかくやってみることだ」より)

与えられた期日の2割の時間で、ほぼ完成形にまで持っていくというのです。著者いわく、締め切りがまだ先だからといって、ずるずると作業をして、最後の追い込みで一気にエンジンをかけると、思わぬミスや、アクシデントが起こることが多いといいます。

これは先日、自社サイト用のコラムの原稿を上司に確認してもらおうとしたときのことです。私は提出期限の前日に原稿を仕上げ、最終確認をしていたのですが、使用する画像が足りないことに気がつきました。アイタイスのサイトのコラムにおいて、文字と同じくらい大切なのが、写真です。また、それらを掲載するためには、色の補正やサイズの調整も必要になります。もしこれを提出日に気づいていたら、画像の用意も間に合いませんし、他の業務にも影響が出ていました。

コラムで使用するものは、こんな感じで撮影しています。

ロケットスタート時間術の方法である、2割の段階で気づければ、このようなアクシデントが起こっても対応ができ、さらに完成度を上げることができます。
そうはいっても、短時間で8割の完成度にもっていくのは、かなり大変。集中力が続かないような気がしますが、著者はこう語ります。

集中力は好きだからこそ自然に出てくるもので、好きでもないものに対し無理やり絞り出すものではない

(第6章「何を基準に「自分に適した職」を選ぶべきか」より)

これまで私は、自分には集中力がないと思っていました。でもそれは違ったみたいですね。考えてみれば、趣味や興味があることについて調べるときには、気づけばかなり時間が経っていることもよくあります。夜更かしをしすぎて後悔したことも数え切れないくらい多い……。きっと仕事として身構えすぎていたのかもしれません。

楽しいことをしている時は、時間があっという間に過ぎるもの。

最近、コピーを書くときに「こうかな? いや、こっちの言い方のほうが雰囲気が伝わるな」など、試行錯誤しながらペンを走らせていると、2時間ほど経っていることも多いのです。これも集中力がついたのではなく、仕事を楽しみだしたからなのかもしれません。このように、与えられた業務の中で“好き”を増やしていけばいいのですね! 

一人一人の人生にとって一番大切なのは、自分の好きなことをやるかどうか、やり続けることができるかどうかだ、(中略)自分が幸せになれる行動をしないと、人は幸せにはなれない。

(第6章「MBAで学べることより大切な、たった一つのこと」より)

「何が好きなの?」「何がしたいの?」と聞かれるとたくさん出てきます。

私は工業高校の建築科を卒業し、社会人を経験した後、音楽の専門学校に通いました。そして講師であった西村さん(現上司)に誘われ、今年の春よりライター兼フォトグラファーとして働いています。設計事務所に勤めていたこともあり、建物を見たり、街並みを見ながら散歩したりするのも好きですし、ピアノ・吹奏楽などもしていたので、音楽も大好きです。さらに留学も考えていたほど、海外にも興味があります。こういうものを仕事と絡ませると、もっと面白くなるのではないでしょうか。そう考えるとなんだか、ワクワクしてきました!

あなたの仕事は、あなたの仕事を終わらせること

(第6章「時間を制する者は、人生を制す」より)

あなたは何のために仕事をしていますか?
中島さんは最後にこう言う。

一度しかない人生、思いっきり楽しもうぜ。
やりたくもないことに延々時間をとられてるなんて、もったいないぜ。

(第6章「あなたが寝る前にやるべきこと」より)

“仕事=しなくていはいけない”と思っていたのは、きっと私の中で勝手に決めたルール。
この本に出会って”仕事=私の人生を楽しむための時間”へと変わりました。

あなたの好きなことはなんですか? やりたいことはなんですか??

Editor’sNote

田村めぐみ

田村めぐみ

「文字の仕事をするのなら、たくさん本を読め!」ということで、ブックレビューを書くことになりました。実用書を中心に、ご紹介していきます。もし、気になる本があったら……。靴を履いて、本屋へGO! 

なぜ、あなたの仕事は終わらないのか

1,380(税込)

田村レビュー

【世界を一変させたWindows95の設計思想を生み出した伝説の日本人が教える 人生を制するスピード仕事術】 本書の著者、中島聡氏は、 「ドラッグ&ドロップ」や「ダブルクリック」などの概念を生み出した 元マイクロソフトの伝説のプログラマーです。 多忙を極め、納期遅れが蔓延するプログラマーの世界で、 中島氏は「一度も納期に遅れたことがない男」として活躍。 なぜ締め切りを守りつつ、世界を変える発明ができたのか? この思考を知れば、きっと「楽しい仕事」でいっぱいの未来が訪れます。

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