今日は、先日納品・公開した弊社の実績に関わるお話を少しさせてください。
クライアントは、大阪にある私立の学校、追手門学院中・高等学校。
その『探究科』という学科が運営するメディア制作のお手伝いをさせてもらいました。
と、ここまで読んでピンと来た人は、弊社サイトに何度か来ていただいている方でしょうね。
そうです。「追手門学院中・高等学校」の「探究科」と言えば、
昨年末に取材をさせてもらった、僕の後輩であり旧友である、池谷陽平くんが所属するところ。
マイメンときどき、マイガール Vol.02 追手門学院中学校・高等学校 池谷陽平氏
あの対談は、「何か一緒にやりたいね」と締められていましたが、幸いなことに現実のものとなりました。
それが『O-DRIVE』です。
O-DRIVE powered by 追手門学院中・高等学校
ご存知の通り、新型コロナウイルスの影響で、全国のすべての教育機関は、
これまで経験したことのない状況に追い込まれたと思います。
そんな中で制作を進めていった、このメディア。
学校が通常の機能を保つことができず、
想定していた取材がほとんどできない状態の中で、
それでも本当に素晴らしいものになったと思います。
お盆前に公開された後、まだ大したプロモーションも行えていないと思いますが、
すでにポツポツと反響も出ていますね。
国内の中学高校のオウンドメディアとしてはクオリティの高すぎるものを発見。追手門学院探究科の先生が先導してローンチしたサイトらしい。保護者や受験生にうれしいのはもちろん、特にコロナでお互いを知る機会が少なくなってる新入生にとっては、これをきっかけに会話が弾みそう。 pic.twitter.com/F5rdOyEChy
— Haruna.K (@haru__coscnt) August 10, 2020
これからの時代、なにを考えどう進むのか価値のありすぎる授業です。
授業の成果を見てこんなに感動したことはありませんでした。
フォロー必須‼️ https://t.co/5vTfr8hOK1
— 島本灯製作所 (@akariseisakusyo) August 8, 2020
これすげ。O-DRIVE l 追手門学院中・高等学校「探究科」が、教育内容や子どもたちの成長プロセスを発信。 https://t.co/V5iDGyclfw
— 松村 悠太郎 (@au0312Israel) August 8, 2020
まだ始まったばかりで、コンテンツもまったく充実していない状態ではありますが、
このメディアがいかに有意義な取り組みなのか、僕が思うところを少しだけ紹介したいと思います。
O-DRIVEが素晴らしすぎる1つ目の理由:サイトの設計やデザインがよい。
これは我々アイタイスが作ったのだから、当たり前。
と、自負しておきましょう(笑)
O-DRIVEが素晴らしすぎる2つ目の理由:“個”のプレイヤーとして、先生がコラムを書いていく。
目玉コンテンツのひとつとして、探究科の先生(+アルファ)が、
自由に自身の考えを発信していくコラムコンテンツがあります。
“組織”ではなく、“個”が重要な時代。
それは、この社会で戦うすべての人に言えることであり、教育機関の先生にも当てはまると思います。
特に私立高校においては、強く言えることではないでしょうか。
たとえば、僕も取材させてもらった高木先生の記事はコチラ。
自然体の言葉で書かれていて、読みやすく、めちゃめちゃいいですね。
「自由にコラムを書く」って、すごく大変なことだと思います。
なんとなく思っていることを、情報として整理して、言語化して……。
しかも記名性で、出来上がった記事は、校長先生や上司にあたる先生も見るし、生徒や保護者も見る。
慣れていない人からしたら、脳みそをフル回転させないといけません。
ハードルめちゃめちゃ高くて、普通、イヤですよね。
でもコレができるって、やっぱり私立の学校だからこそだと思うし、
企業や商品と同じく、学校の先生も自分の強みを明確にして、
それを発信することで、しかるべき対象に評価してもらうっていう
ブランディングに向けた取り組みをしていって当たり前の時代だと思います。
コレをやるたびに、先生たちの頭の中は整理され、
また自分が伝えたいことや得意とする領域、他と比べての優位性も明確になるでしょうし、
“教える人”としてのパフォーマンスや、授業のクオリティはどんどん高まっていくこと間違いなし。
繰り返しになりますが、組織に守ってもらう時代ではありません。
それぞれがそれぞれの個に意識的になり、それを自身で磨き上げ、評価を高めていく時代です。
言い方は悪いかもしれませんが、そういった時代の流れに適応できない
“古い”体質の先生たちは、淘汰されていくべきなのかもしれません。
O-DRIVEが素晴らしすぎる3つ目の理由:生徒たちの本音・内面が、言語化され、発信される。
やはりここが一番大きいでしょう。
前述の通り、新型コロナウイルスの影響で、想定していた取材がまったくできなかったのですが、
それでも4人の生徒たちに取材をすることができました。
もちろんお話を聞いたのは僕。
大げさではなく、すごく感動しましたよ。4人全員が、素晴らしい“個”を持っている。
例えば、学生時代に起業を目指す「Y.Aさん」
在学中の起業を目指すアイデアマン。ポジティブに、そして貪欲に学びつづける!
アイデアはあるけどお金や時間がない人や、逆に、お金や時間はあるけどアイデアはない人たちが出会って、自分が持っているものを取引・交換できるプラットフォームがあればいいなと思って。そういう企画をどんどん生み出していきたいですね。
アイデアが思いつけば、それを自分以外の人に伝えられるように、
資料へと落とし込んでいくのが日課という、
「え? もうすでにベンチャーの社長ですか?」っていうキャラ(笑)
僕自身も、見習わないと!
次に、近い将来、水球で日本を代表する選手になるであろう「K.Tくん」
自分は自分。周りには流されない。だけど、やるべきことは、きっちりと。
オリンピックへの出場は、あくまで通過点でしかなくて、最終的な目標は人間としてビッグになることですね。
アスリートとして大成するのは、
これくらい強い意志を持った人なんだろうなと、感心しました。
いつか有名になって、取材したことを自慢させてください(笑)
さらに、“学ぶ”ということに対して、尋常ではない意欲を持つ「I.Kさん」
成層圏からの撮影に成功。どんな壁だって、乗り越えれば自分のチカラとなる!!
幼少期の愛読書は図鑑だったし、小説はもちろん、哲学書や洋書、さらに六法全書や広辞苑も読みました。最近は学校の勉強をしながら、趣味でドイツ語の勉強を始めたんです。
とにかく“学び”に対して意欲的な彼女。
現在「馬の生体の研究」を視野に入れて、将来設計をしているとのこと。
「なぜ、馬?」と思った人は、ぜひ記事を見てみてください。
そして最後に、自身の強みにしっかりと気づいている「O.Hくん」
“自分の得意”を、チームで活かす。伝えたいのは、ゲームの素晴らしさ!
ゲームのエンディングで、映画と同じ感動を覚えることもあります。だから、「ゲームは時間の無駄」と排除するのは絶対に間違っている。
ゼロ→イチは苦手だけど、イチ→ジュウ→ヒャクに対してなら
自分が持っているチカラを発揮してチームに貢献できるという、
素晴らしい個性にすでに気づいています。
現在公開されているのは、こんな4人です。
内容が興味深いのもさることながら、どの生徒も本当にいい表情をしていますね。
これは弊社のカメラマン、西村が頑張ったおかげもあると思います。
こういった原稿ができあがることで、
「自分というのは、こういう人間なんだ」という意識をより強く持てるし、
周りの見る目も変わってくるでしょう。
そして、そんな姿を見て、親御さんのテンションも上がりますよね。
自分の子どもが、まるで有名人のように取り上げられ、しっかりと自分の言葉で語っているわけですから。
また、いつか彼女・彼たちが大人となり、それぞれのジャンルで大活躍するようになれば、
その最初に世の中に出た記事ということで、改めてスポットが当たるでしょう。
となれば、学校としての広報や集客としての役割も担えます。
一石何鳥ですか、これ。
さらに、ここでは学校に対してマイナスプロモーションになるような言葉も原則OK。
それを許容する学校側の姿勢も素晴らしいと思います。
例えば、先ほど出てきた水球のK.Tくん。こんな発言をしています。
追手門を選んだのは、ただ家から近いからという理由だけ。
まあ、よくある話ですよね。
あのスラムダンクの流川くんも湘北高校を選んだ理由として同じことを言ってました(笑)
みんながみんな、“広報的に映えるような”高い志を持って入学するわけではありません。
こういった共感性に訴えかけるアプローチも、むしろ広報的にいいと思います。
そしてもう一つ、とても有益だと感じたのが、
生徒たちが自分の原稿を、自分でチェックをするということ。
いちおう言葉のプロである僕がつくった原稿に、生徒たちが朱を入れてくるわけです。
「ここは、そうじゃないんだ」「ここは、こうニュアンスで書いてほしい」……。
大人に対してそんなメッセージを伝えるということは、
つまり「自分とは、どういう人間なのか」ということに意識的になるのと同義です。
これもなかなか経験できないことですよね。
ちなみに取材をした4人の中のひとりの生徒は、
原稿に対するこだわりの強さが故に、何度も修正指示を出してきました。
その本気に対して、僕も本気で返してあげたくて、
最近では珍しいくらいに、「朱書きに対する朱書き」を用意。
できるだけ丁寧に、「これらの修正が、どういうロジックでなされたのか」、
「読みやすく伝わりやすい文章を作るためには、どういうアプローチをとるべきなのか」を説明しました。
あくまでファイル上のやりとりでしかないので、
その生徒がどれくらいコチラの思いを汲み取ってくれたかはわかりません。
しかし、相手が学生でも、本気でぶつかってくる子に対しては、こちらもプロとして本気で返す。
いま流行りの(!?)直樹風(上戸彩目線)に言うなら「本気返しだ!」です(爆)
まあとにかく、今いる生徒とその親御さんに対して、
自分たちが通っている学校に対する満足度を上げると同時に、
未来の集客にも効果をもたらす可能性を秘めているなんて、学校として最高の施策ですよね。
O-DRIVEが素晴らしすぎる最後の理由:池谷先生がカッコよすぎる。
弊社サイトでの対談の時もそうでしたが、相変わらずヤバいです。
そろそろ芸能界が動くかもしれません(笑)
ま、とはいえこれは、0.5個扱いで(笑)
忙しい毎日を送る生徒たちに必要な“DRIVE”のマインドセットを、探究の授業で。
はい、今日はここまで。
最後は少しふざけてしまいましたが……。
サイトにはここで触れなかったコンテンツもありますし、それらに加えて、
生徒たちが自由にコラムを書いたり(それに先生がコメントをつけていく、なんてガチンコ企画も)、
教育関係の有識者を迎えた対談を収録したり……と、実はもっと多角的な展開を目論でいました。
が、すべてがコロナウイルスでおじゃんに(涙)
しかも、まだまだ収束の気配を見せないので、
取材班である我々が、東京から大阪へと向かうことが禁止され、
次の取材もいつ行けるか分からないというのが今の状態。
これは、教育機関として、当然の対応ではあると思いますが、
我々としては、非常にもどかしい状況ではあります。
僕自身、早く次の生徒の話が聞きたいのですが……。
どこかのタイミングで、リモート取材に転換するなど、舵を切り直さないといけません。
ともあれ、教育業界に大きなインパクトや影響を与えることもできるであろう「O-DRIVE」。
今後の展開を注目してください。
公式Twitter:https://twitter.com/ODRIVE8
公式Instagram:https://www.instagram.com/odrive_otemon/
追手門学院中・高等学校フェイスブックページ:https://www.facebook.com/otemon.jh
Editor’sNote
五反田に小さなオフィスを構えるブランディング&クリエイティブカンパニー、アイタイスの代表です。