友達や家族、仕事仲間と連絡をとる時。もしくはSNSに投稿をする時。私たちの生活には文章が必要不可欠です。しかし書いてみたものの、本来の意図とは違う伝わり方をしてしまった経験、みなさんはありませんか? 相手が誤解することなく、きちんとこちらの言いたいことが伝わる文章を書くのは非常に難しいこと。実は学校の国語の授業などでも、それを習うことはありません。しかしちょっとした方法を知っているだけで、すぐに書けるようになります。その極意を、新人コピーライターの僕と一緒に、学んでいきましょう。
STEP1:文体を揃える。
上手な文章を書くための第一歩。それは文末の処理です。
「文末」とは言わずもがな、文章の最後に使われる言葉のこと。それは大きく「です・ます調」と「だ・である調」の2つの文体に分類することができます。
大事なのはこの2つをシチュエーションに応じて使い分けること。ではそれぞれの文体がどういった印象を与えるのか確認していきましょう!
です・ます調:読み手に丁寧で柔らかい印象を伝えたいとき(説明書・パンフレットなど)
だ・である調:読み手に強く訴えたいとき(新聞・論文など)
この印象を知っておくだけで、どちらを使うべきかが簡単に判断できるようになりましたね。実際に例文を用いて、その違いをみてみると……
【です・ます調】
アイタイスは五反田にある制作会社です。ビルの二階にオフィスがあります。
【だ・である調】
アイタイスは五反田にある制作会社だ。ビルの二階がオフィスである。
同じ意味でも伝わり方がぜんぜん違いますね。その文章をどんな状況で、誰に対して書くのか、よく吟味することが大切です。さらに重要なことがあります! それは、
この2つの文体を混在させないこと。
これが日本語の基本的なルール。どちらかで揃えることで、読みやすい文章になります。このルールを知らずに混在させてしまうのが、素人がやってしまいがちなミスのひとつですね。
アイタイスは五反田にある制作会社だ。ビルの二階にオフィスがあります。
読んでいてどこか、もやもやしませんか? かしこまっているのか、フランクなのか、よく分かりません。そんな違和感を解消するために、文体を統一することが重要です。
文体の種類を混在させない。
STEP2:リズムを持たせる。
次のポイントは文章に「リズム」を持たせることです。
「音楽でもないのにリズム?」と思ったみなさん、具体的にはどうするべきなのか例文を用いて考えてみましょう。
僕は運動が好きです。でも体力には自信がないです。だからプレーするよりも見るのが好きです。
Step1で学んだ通り、文末は統一されていますが、どこか単調で幼稚な印象を受けませんか。小学生の日記のようなイメージですね。
これは同じ文末表現(ここでは「です」)が続いていることが原因です。
同じ文末表現を続けない。
これはアイタイスでは絶対のルールです。では例文を変化させてみましょう。
僕はスポーツが好きです。でも、体力には自信がありません。だから、プレーするよりも見るのが好きですね。
これだけで、文章にメリハリがうまれました。でもどうしても「です」や「ます」が続いちゃう……と感じているそこのあなた! 2文目のように「ません」などの否定形の文末を用いることで、回避することができますよ。
同じ文末表現を続けて使わない。
STEP3:たまに使う例外でワンランク上へ。
急に話が変わってしまいますが、おしゃれな人ってどこかハズしの要素が入っていませんか? フォーマットな格好にちょっとした遊び心をいれる。そのちょっとしたハズしがよりおしゃれさを引き出していますよね。
このテクニック、文章でも使っていきましょう!
その代表例が体言止めです。
これを上手く使うことで、よりテンポのいい文章へとランクアップします。
僕の将来の夢はサッカー選手です。日本で1番ゴールを決める選手になることが目標です。そのために筋トレが日課です。
今まで紹介したことを思い出すと「です」が続いていて、単調ですね……。
これまでの学んだことと、体言止めを使ってこの文を書きかえると
僕の将来の夢はサッカー選手。日本で一番ゴールを決める選手になることが目標です。そのために筋トレが日課となっています。
Step2で学んだ同じ文末表現を続けない文章よりも、さらにスムースに読めますね。
でも、ここで注意! あくまで多用は厳禁です‼
服装でもハズしすぎたら逆にかっこ悪いですよね。文章でも同じです。体言止めをたくさん使いすぎるとぶっきらぼうで、少し粗雑な印象を与えてしまいます。
前後の流れを見ながら適宜使うのが、より効果的につかうコツです。
ちなみに体言止めを続けるのもアイタイスではNG。あと長めの文章の文末で使うのも避けるように教えられました。
ほどよく体言止めを使う。
ちょっとしたひと手間が文章を変える。
では最後に今回のコラムで学んだことを確認しておきましょう。
文体の種類を混在させない。
同じ文末処理を連続で使わない。
ほどよく体言止めを使う。
この3つを守るだけでも、文章の質はグッと上がります。今まで書いてきたものをを見直してみると「あ! ここ変えたほうがいいかも」なんて部分を発見するかもしれませんね。
伝わりやすい文章を書くことは、相手への心遣いのひとつです。まずは基本的な部分から実践していきましょう! 最初は悩んでしまうこともありますが、慣れてくると意識せずに書けるようになりますよ。
上手に書くためのテクニックはまだまだ存在します。それはまた次回に!