コピーライティング講座

誰でもカンタン。読みやすく、きちんと伝わる文章教室vol.3【コピーライティング講座】

川島優大

川島優大

UPDATE 2022.06.29

友達や家族、仕事仲間と連絡をとる時。もしくはSNSに投稿をする時。私たちの生活には文章が必要不可欠です。しかし書いてみたものの、本来の意図とは違う伝わり方をしてしまった経験、みなさんはありませんか? 相手が誤解することなく、きちんとこちらの言いたいことが伝わる文章を書くのは非常に難しいこと。実は学校の国語の授業などでも、それを習うことはありません。しかしちょっとした方法を知っているだけで、すぐに書けるようになります。その極意を、新人コピーライターの僕と一緒に、学んでいきましょう。

今回はみなさんが何気なく使っている『句読点』について、学んでいきましょう。

STEP1:ルールがないからこそ、使いこなすべき。

文を区切り、読みやすくするために用いられるのが『、(読点)』ですが、打つ場所を意識して使っていますか?
定まったルールはありませんが、上手く扱えるといっそう伝わりやすい文章へとランクアップします。
例文を見ながら、特に意識すべき2つのポイントを学んでいきましょう。

今回の取材の目的は上場企業の社長に今年度の経営方針を聞くことである。

この文章、とても読みづらく感じませんか? 読点がひとつもないと意味のかたまりを判断するのが難しく、伝わりづらくなってしまいます。こういった時が読点の出番。声に出して読んでみると、どこで必要なのかが見えてきますよ。
どう打つかというと……

今回の取材の目的は、上場企業の社長に、今年度の経営方針を聞くことである。

区切れがうまれて、読みやすくなりましたね。読点は「息継ぎ」の役割を果たしてくれています。もし打つ位置に悩んでしまったときは、音読をするのがおすすめ。一息つくタイミングで用いることがポイントです。

Point1−1

息継ぎのタイミングで打つ。

2つ目のポイントは「漢字がつづいた時に打つ」です。

社長は誠心誠意取引先に謝罪した。

漢字が連続していて、これまた言葉の区切りがわかりづらいですよね。こういった時も読点を打ちましょう。熟語や単語がどこで終わっているのかをはっきりさせることで、読み手の負担を和らげることができます。それでは例文を書き直してみましょう。

社長は誠心誠意、取引先に謝罪した。

「誠心誠意」と「取引先」の間に読点を打つことで、どこで区切られているのかがひと目で分かるようになりました。ひらがなやカタカナでも同様ですが、特に漢字がつづいた時は、注意しましょう。

Point1−2

漢字がつづく時に打つ

さて2つのポイントをまとめてみると……

息継ぎのタイミングで打つ

漢字がつづく時に打つ

これらを意識するだけでも、伝わりやすい文章にグッと近づきます。もし悩んでしまったときはこの3つを思い出しましょう。
それでも打つか打たないかは難しい問題です。そこでヒントとなるのは「読点が少なくて読みづらい」より、「読点多くて読みづらい」のほうが、まだ読みやすいということ。もし迷って正解がわからない場合は、迷わず打ちましょう。でもうちすぎには注意です。って、ヒントになってないですか?(笑)

STEP2:伝えることはひとつだけでいい。

次は『。(句点)』に注目してみましょう。こちらは「文末に打つ」という明確なルールがあるため、使い方に迷うことはそこまでないはず。しかしひとつの文をどこで終えるかを悩んでしまった経験はありませんか。今回のポイントを知っておくと、文の読みやすさが大きく変わります。ではどこで終えればいいのか。例文を見ながら確認していきましょう。

明日は17時からミーティングがあるので、明日の午前中までに打ち合わせで使う資料を人数分印刷して、それから念のため、全員が参加できるかを再度確認するメールを送っておいてください。

1文が長すぎて、「どこか重要なのか」「なにを伝えたいのか」が分かりづらくなっています。こういった時に句点を積極的に使っていきましょう。

明日は17時からミーティングの予定です明日の午前中までに打ち合わせで使う資料を、人数分印刷をお願いしますそれから念のため、全員が参加できるかを確認するメールを、再度送っておいてください

情報や行動が1文ずつまとめられていて、読みやすさが格段と変わりました。ここに意識を向けるのがSTEP2のポイントです。

基本的にはひとつの主語と、ひとつの述語で「。」を打つ。

言いたいことを詰め込んでも、伝わらなければ意味がありません。1文を簡潔にまとめることで、読み手が混乱しないようにしましょう。

このポイントを実践するためには、書きはじめる前に内容を整理しておくことが大切。「誰が」「いつ」「なにを」「どこで」「なにをした」に振り分けることで、余計な言葉を足さずにスッキリとした文章を書くことができますよ。

Point2

基本的にはひとつの主語と、ひとつの述語で「。」を打つ。

めざせ文章マスター!

さて当たり前のように使っている『句読点』について解説してきました。最後に学んだことを再確認しておきましょう。

息継ぎのタイミングで打つ。

漢字がつづく時に打つ。

基本的にはひとつの主語と、ひとつの述語で「。」を打つ。

Part3までいった文章教室。みなさんも伝わりやすい文章に、すこしずつ近づいてきたのではないでしょうか。しかしまだまだ紹介していないポイントはたくさんあります。焦らずにゆっくりとひとつずつ学んでいきましょう。

次回は実際に雨森さんが書いた文章を見ながら、これまで学んだポイントを復習していきます。過去の文章教室を目を通しておくとよりスムーズに復習できるかも? アーカイブを見たい方はこちらから。それではまた次回お会いしましょう!