みなさん、こんにちは。アイタイスの雨森です。
「自分には3つの肩書があって、そのどれかが専門で、それ以外が“片手間”というわけではなく、どれもガチのプロとしてやっている」というのが、先ほど配信されたメルマガで書いた話。しかし実は僕には、さらにもうひとつ別の肩書があります。
それは「毎月末日の前日に、半泣きになりながら、大して面白くもない内容の薄いコラムを書く人」というもの。いや〜、つらい。この4つ目の肩書を早くなくしたい! これは本当に切実!!
ということで今回は、今月末も懲りることなく4つ目の肩書を担当している僕が常々感じている「ちょっとした悩み」の話です。
これって“あるある”?
これも先ほどのメルマガで書きましたが、アイタイスでは業種や規模を問わず(中小企業がメインですが)ブランディングとクリエイティブの2つを手段に、企業の成長や事業やサービスなどのセールスプロモーション全般のお手伝いをさせていただいております。
そんな中、僕がプライベートで接するサービスの提供者に関して、心の奥底でふと感じることがあります。それは「あれ? ここのお店、もしかして集客、うまくいってない??」といった勝手な心配。これは僕のような仕事をしている人の“あるある”なのではないでしょうか。
先日もそうでした。家族の趣味であるキャンプに行くと、よく晴れた週末であるにもかかわらず、来ていたのは広い敷地内に我々ともう1組だけ。そこは我々家族がめちゃくちゃ大好きなキャンプ場で、5歳の息子もずっと「お兄さんに会いたい!」と話すほど、店長さんの人柄も最高。それが故に、もし集客に困っているのであればお手伝いをしたいなと感じてしまいます。
ただそんな気持ちはとうぜん口には出せません。せっかく仕事とは関係なくいい関係を築けている人に、急に「え、営業されてる??」なんて不安を与えるような悪手をとる理由はひとつもないから。それにその日がたまたまガラガラだっただけで、他の日が埋まりまくっているのであれば、非常に出しゃばった振る舞いであり、とても失礼な話です。
営業なんか、しません宣言。
ここでいちおう補足として書いておくと、我々アイタイスが新規クライアントを獲得するために、こちらから営業をかけるなんてことは、今の状態ではありえません。
おかげさまで最近は、放っていても最低限の売上は確保できる状態。今あるお客さんだけで、完全に手一杯な状況がずっと続いていて、なんだったらあまりに多忙を極めているが故に、既存のお客さんに対してもスケジュールをこぼしたり、本来はもうちょっと時間をかけてアウトプットを提案するべきだったりと、迷惑をかけてばかり。
もちろん新しい相談を受ければ、なんとかスケジュールやリソースを調整して、できる限りお手伝いさせていただくようにはしていますが、この期に及んで「新しいクライアントや案件を増やしたい」という思いなど皆無で、そういったアクションをとったこともありません。
だからいかなる企業やサービス、商品に対しても、「営業をかけたい」という気持ちは皆無です。本当です。
ただただ「自分が大好きなお店だから」「いつもお世話になってばかりだから」「万が一なくなっちゃったら、こっちが被害を被るから」という、言わば“私利私欲”で「お手伝いできればな」と思うだけです。
しかも自分自身がそこに通っているということは、数多ある選択肢の中から、そこを選ぶ理由を見出しているわけで、ある程度、そのお店やサービスの独自性や強み、それをぶつけるべき相手とその心情、戦うべき領域などが分かっていて、勝ち筋もなんとなく見えています(もちろんお仕事としてお手伝いをする際には、改めてしっかりとヒアリングはしますが)
「ここを訴求できるビジュアルと、ここが伝わるコピーと、ここが強調されるコンテンツをサイト上に展開して、それをSNSで発信して……」と想像しながら、「商売がうまく行ってくれればいいのにな」と強く感じつつも、先ほども書いた通りの理由で、口には出せません。
無料ほど(お互いに)危険なことはない。
さらにそういう場合「僕の稼働分だけなら無料でいいけどな」なんてことも思ってしまいます。僕たちがお仕事としてお手伝いするとなると、当然ながら費用が必要です。他社と比べて決して高くはないですが、とはいえ安くもない額を請求しなければならなくて、そこが相手側からするとネックになることは分かっています。
ただしこの「無料でいい」という言葉は、非常に胡散臭く感じてしまうもの。話を受けた側からすると「何かウラがある」「断りにくいフェーズまで進んだタイミングで、高い金額を請求されるんでしょ?」と思って然りです。
それにきちんとお金を払ってもらっているクライアントからしたら、不公平極まりないことにもなってしまうので、無料でサービスを提供するのはよくありません。
「無料でいい」と言っているのは、別にいい人ぶっているわけではありません。まったく知らない会社から「困っているから、無料でやって!」と言われても、「なめるなよ」「ふざけんなよ」と思うだけ。
大好きなキャンプ場、子どもがお世話になっている習い事の運営元、飼っている猫がお世話になっている動物病院、僕がいつも行っている美容院……。
上に書いた通り、あくまで「自分が大好きなお店だから」「なくなるとこっちが困るから」という、根底に“私利私欲”が働くお店やサービスに関してだけ、「もし困っているのであれば、無料でもお手伝いしたいな」と思ってしまう、という話です。どうでしょう。同業者の皆さん、あるあるではないですか?
でも何度も言いますが、それも口に出すことはありません。が故に、とってもモヤモヤするというお話でした。
もしこれをやれるとしたら、何十年か先、僕が引退をして、悠々自適な老後生活を送って(いればいいですが……)いる時ですかね。「最初から最後までずっと無料で、毎月1社限定」みたいな、言わば社会貢献のひとつとして自分が培ってきたノウハウをお渡しするカタチでやれるのであれば、やりたいと感じている所存であります。
今日はここまで。
はい。いつもの通り、時間がなくて淡白な内容になりましたが、いいでしょう。「続けることに意味がある」なんて言葉がありますが、このコラムに関しては「続けていても、特に意味がない」という、さらに上の領域(?)へと到達してきた感があります。
そして先月のコラムや先ほどのメルマガにも書きましたが、7月に入ればアイタイスも8期目に入ります。
最近、なぜかピタッと止まっていた(僕がディレクターとして外部のチームに入るプロジェクトはいくつかありましたが)Webサイトの制作に関する相談が、また一度にゴロゴロっと入ってきて、また年末に向けて多忙な日々が続きそうです。
6月にもかかわらず酷暑が続いて「このままだと7〜8月はどうなるの?」という不安もあります。皆さまも体調には気をつけましょう。
ではまた。
Editor’sNote
五反田に小さなオフィスを構えるブランディング&クリエイティブカンパニー、アイタイスの代表です。