ある日の昼下がり。「ニシ〜! 今度いらん服あげるわ」という言葉が聞こえてきました。背格好が似ているからか、社長はよく西村さんに着なくなった服をあげています。羨ましいな〜と思いながら聞いていたら、悪魔のささやきが聞こえてきました。この言葉をきっかけに、ファッションショーがはじまるんです。
似合わなかったら、没収!
え? 私の聞き間違いかな……と思いキョトンとしていたら、社長が「やから、俺がコーディネートした服をニシが着て、似合わんやったら、やらん」とひと言。
西村・田村 「そんなことあるか〜!」
そんなわけで、事務所でファッションショーが始まるわけです(笑)
社長が持ってきてくれた服はこちら。アウターにズボン、そして小物類までたくさんあります。
さて西村さんは、どれくらい持って帰ることができるのでしょうか?
ルールは簡単です。似合っていればOK!
決定権は社長のみにあります。
ではさっそく、1つ目のコーディネートは……
社長「ん〜、なんか違うな、だめ」
西村・田村「まじか。本当にもらえないんだ」
社長「あ、サングラスとストール巻いてみてよ」
田村「(いや〜正直これは似合って……)」
社長「やる!」
西村・田村「え? なんで⁉」
さっきまで「あげない」と言っていたのに、なぜ急に意見が変わったのか、私たちにはまったくわかりませんでした。
社長「じゃあ、次はこれと、これ着て!」
言われるがままに、2つ目のコーディネートに着替え終わりました。
さきほどと違ってクールな装いですね。『大人の男性』という感じが出ています。
これはいけるはず!
社長「ん〜なんかおもんない」
ん? おもんない⁉
西村さんと私はここで気がつきました。
社長は、“似合っているかどうか”ではなく、“面白いかどうか”で判断しているのだと。
そこからの西村さんは生まれ変わったかのように、
こんなポーズや、
こんなポーズまで……。いやだ〜。
私が好きだったクールで不思議なオーラが出ていた西村さんの面影はもう、完全にありません。
いつもなら、西村さんにあげる服を紙袋に入れてきて、「はい、ニシ。これ全部あげるわ」って言って、さらっと終わるのに、なぜ今回だけ?
何度も着替えを繰り返した挙げ句、社長がいった言葉は、
「うん、持ってかえるのだるいから全部やる」
西村・田村「結局くれるんか〜い」
……と、こんな1日だったんです。
もう、ツッコミどころ満載というか、疲れましたよ。トホホ……。
西村さんはその後、何度かもらった服を着て出社していました。
身を粉にして、勝ち取った服をみると、私はいつも複雑な感情になります。
似合ってる、似合ってるけど。
あ〜、クールだった西村さん、
カムバ〜〜〜ック!
Editor’sNote
私、新人ライターの田村がアイタイスに入社して感じたのは「決まりごと」と「おそろい」が多いこと。どうやら、弊社の社長には、少し強めのこだわりがあるようです。そんな「アイタイスルール」をご紹介していきます。クセが強すぎたらゴメンナサイ‼