社長コラム

【月刊あめのもり】2025年4月「仕事を頑張れば、みんなが大谷翔平? みんながノーベル賞??」

雨森武志

雨森 武志

UPDATE 2025.04.30

みなさん、こんにちは。アイタイスの雨森です。

世の中はゴールデンウィーク真っ只中。今年はいわゆる“飛び石”ではありますが、“ブチ抜き”の方は、本日もお休みだと思います。

さて、先日、とある案件のミーティングがあり、そのプロジェクトに関わる複数のチームに、さまざまな観点から高難易度のタスクが課せられることがどんどん判明していって、全体的に「どよ〜ん……」とした空気が流れていったにもかかわらず、全体を率いるリーダーであり、僕が最も尊敬する経営者のひとりでもある方がポロリと発した「これ……楽しいネ!」というひと言に感銘を受けたというのは、先ほど配信されたメルマガにも書いた話。

そうです。いろいろな壁が立ちはだかった結果、ふと忘れがちですが、仕事って本来はとても楽しいもの

今回のコラムでは、僕がそう感じる理由を、仕事をすることで得られるメリットをいくつか挙げながら、紐解いていこうと思います。

1.仕事をすることで「成長できる」。

まずはひとつ目。仕事を通して知識や経験を得て、人として成長することができます。

これは何ものにも代えがたい喜び。昨日より今日、今日より明日、今年より来年、5年後、10年後……と、できることが増えたり、考え方の視座が上がったりするのは、人生の醍醐味のひとつです。

とはいえ「成長」とは、仕事以外では得られないものではありません。たとえば趣味を通した成長、なんでもいいですが、ゴルフで記録が伸びる、ピアノで弾けなかった曲が弾ける、英会話を習って、海外でも通用する語学力がつく、といったものもあります。他にも、単純に子育てを通して自分自身が成長する、なんてこともあるでしょう。

2.仕事をすることで「貢献できる」。

他者への貢献。それは人生における最大の喜びと言ってもいいでしょう。成長を志す組織や個人に貢献するのが、仕事の目的と言っていいと僕は思っています。

過去にちょっとした“ミーハー心”もあって、ベストセラーである『嫌われる勇気』を読んだことがありますが、たしか心理学者であるアドラーも「貢献感こそが幸せに生きるために大切」といったことを言っていたような……、まあ記憶が定かではないので、あしからず。

また仕事をするということは、イコール「納税」でもあるので、国や自治体、未来の世代への貢献も果たすことができます。最高ですね。

ただし「貢献」も、仕事だけがその手段ではありません。それ以外の方法でも他者に貢献することは可能なはず。上とも重複しますが、子育てを含む家族での営みは、そのまますべて貢献と言ってもいいかもしれません。

3.仕事をすることで「感謝される」。

これは上の「貢献」とほぼ同義ともとれますが、一生懸命に仕事をすれば、基本的に誰かに感謝されます。それはクライアントかもしれないし、同じチームのメンバーかもしれない。場合によっては家族かもしれません。もちろん「感謝されること」を目的に仕事をしている人はあまりいないとは思いますが、感謝されて嬉しくない人もほぼいないと思います。

仕事に関わらず、相手に「感謝したい」と思ってもらえるに足ることを自分ができていると思えれば、その充実感は大きなものであり、気持ちがいいですよね。

そしてこれに関しても、仕事だけがその方法ではないことは明らかです。人から感謝されるタイミングなんて、つくろうと思えばいくらでもつくれるもの。並んでいる自転車をドドド……と倒してしまった人を助けたり、エレベーターに乗ろうとしている人のために「開ける」ボタンを押し続けたり、誕生日などの特別な日に贈り物を渡したり……と、無限にありますね。仕事以外でも、できるだけそんな機会を増やしたいと感じるばかりです。

4.仕事をすることで「評価される」。

人から評価されること。またいわゆる“承認欲求”を満たすこと。これらは個人差はあれど、生きていく上で大切なことであり、仕事がもたらしてくれる大きなメリットです。当然ながら、いい仕事をすれば周りから称賛してもらえるし、他の誰かから憧れられたり、組織の中でより高いポジションに昇格できたりと、いいことづくめ。

よく「(主に男性が従事する)仕事」と「家事・育児」のどちらが大変なのかという、言ってみれば“不毛な”議論がありますが、僕が「家事・育児」の方が大変だと思う大きな理由がここにあります。実際にどちらが大変かは、環境の差があるので答えはないのですが、少なくとも前者はやれば評価されます。それに比べて、家事や育児は、めちゃめちゃ大変(特に子どもが小さい頃の育児)なのに、それを遂行したところで、周りから特に評価されないという1点において、圧倒的にいわゆる仕事よりも大変なのではないでしょうか。

体力的にも精神的にも削られ、それでもいろいろと工夫を凝らし、時間をかけ、自分を犠牲にしながら臨むのが育児です。それはすべて仕事だって同じではあるのですが、圧倒的に違うのは、やはり仕事はやれば褒めてもらえるし、昇格もするし、昇給もするのに比べ、育児は「やって当たり前」的な感覚があること。努力して上手にやりきったって、褒めてもらうことも、昇格することも、昇給することもありません。そんな辛いことってあるでしょうか。

そう考えると、やっぱり仕事っていいですよね。

5.仕事をすることで「人間関係の構築につながる」。

続いては人間関係の構築です。個人差はあると思いますが、大人になると仕事上の付き合いが人間関係のメインになる人が多いと思います。少なくとも僕はそのタイプ。仕事上で関係のある人と、仕事とはまったく関係のない、いわゆる友人を比べると、コミュニケーションの量は天地ほど差があります。

知り合ったきっかけが仕事だからといって、別にドライな関係だとは僕は思いません。同僚、チームのメンバー、クライアント、その他、仕事を通してつながった人と深く心を通わせることっていくらでもありますよね。師弟関係になったり、場合によっては恋愛関係になったり。そこに友情も芽生えるし、感謝もし合えるし、同じ目標を共有できて、それを乗り越えた喜びも共有できるなど、深い関係性が育まれることもしばしば。そしてそれは明らかに人生における財産です。そんなかけがえのないものが、仕事を通してつくり出されるわけですから、やっぱり仕事っていいですよね。

6.仕事をすることで「お金がもらえる」。

はい、ここまでとりあえず5つ、仕事を通して得られるものを挙げてきました。いずれも仕事以外の方法でも得られるとは思いますが、じゃあ5つすべてが一気に可能かと言われると、やはり仕事じゃないと難しいと思います。

その上で6つ目として、極めつけのやつがこれです。ここまでの5つだけでも他では一度に得るのが難しいのに、それに加えてお金までもらえるのが仕事です。何と言ってもやはりこれがすごい。こんなお得なことがあっていいのでしょうか。すでにメリットまみれなのに、お金までもらえるなんて……。

繰り返しになりますが、他の5つのメリットに関しては、仕事以外でも得られます。しかし「お金」だけは、仕事以外の方法で得るのはなかなか難しいもの。投資をしたり、ギャンブルをしたり、趣味でやっていたことが当たったり、あとは実家が太かったり(笑)と、他の方法がまったくないわけではないですが、やはりお金を稼ぐ方法となると基本的には「仕事」になります。

何度も言います。仕事をするだけで、成長できて、貢献できて、感謝されて、評価されて、人間関係が構築できるんです。めっちゃいいですよね。他にこんなこと、なかなかないですよね。この時点ですでにもう嬉しくて、嬉しくて。

で、その上で、お金ももらえるんです。やばくないですか? 仕事、サイコー! サッカーで言うならメッシ! 野球で言うなら大谷君だ! 日本の企業ならトヨタだ! 最高だ! MVPだ! バロンドールだ! ノーベル賞だーーーーー!!!!!!!

今日はここまで。

はい。特に後半、変なテンションになってしまいましたが、まあいいでしょう。

仕事のネガティブな部分にはスポットを当てずに書いているので、信憑性や納得感に欠けるのは分かっています。

ただ僕はずっと前からこういう風に考えていて、つまりは「お金を目的にしなければ、仕事ってメリットだらけ」と思っています。

そのことをこれまでもスタッフにときどき伝えてきたのですが、まがいなりに組織のトップとして、そういう物言いは注意が必要だとも思っていました。「仕事なんだから、お金を目的にしないわけがないじゃないか」と感じるのであればそれも否定はしませんし、上からそう言われても、なかなかそこまで突き抜けた考え方はできないかもしれません。単純にブラック企業っぽさもあるというか……。

割と「仕事論」の根幹の部分であり、それだけにセンシティブな部分でもあるので、伝えるにしても丁寧な議論が必要だと感じています。

ということで、今日も時間がなくて画像もないタンパクな内容でしたが、ここまで書いてきたように、成長できて、貢献できて、感謝されて、評価されて、人間関係が構築できて、しかもお金がもらえる仕事が大好きな僕は、まだまだこの後、たくさんの案件を捌いていかないといけないので、あっさりと終わっていきましょう。

あとメルマガにも書きましたが、5月22日、23日には、弊社がお手伝いをしている『東京レザーフェア』という展示会が開催されます。2日ともインスタライブの司会として僕も登場しますので、ぜひご覧になってください。


東京レザーフェア公式サイト


東京レザーフェアインスタグラム

ではまた。

Editor’sNote

雨森武志

雨森 武志

五反田に小さなオフィスを構えるブランディング&クリエイティブカンパニー、アイタイスの代表です。

嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え

1,650(税込)

レビュー

世界的にはフロイト、ユングと並ぶ心理学界の三大巨匠とされながら、日本国内では無名に近い存在のアルフレッド・アドラー。 「トラウマ」の存在を否定したうえで、「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」と断言し、 対人関係を改善していくための具体的な方策を提示していくアドラー心理学は、 現代の日本にこそ必要な思想だと思われます。