How to

【ポートレートの話】会話上手は、ポートレート上手?

西村優祐

西村 勇祐

UPDATE 2020.02.27

僕が撮影する対象は、案件によってさまざまに変わります。その中で、もっともプレッシャーがあるのが、人物撮影です。
しかし、2018年から19年にかけては、その人物撮影が多かったので、個人的に意識したポイントをまとめていきます。ちなみに、モデルさんのような“撮られるプロ”ではなく、あくまで一般の方が対象です。

この記事のポイント

対象は自分と同じ人であること

シャッターを切る前に、会話を楽しむこと

OKの基準を共有すること

はじめに

今回の記事で掲載している写真は、すべてダンサー・振付師のMinamiさんです。宣材写真の依頼をいただき撮影させていただきました。本当に、ありがとうございます!
彼女がとってもいいモデルさんだったので、めちゃくちゃかっこいい!!
Minamiさんの詳しい経歴は本記事の最後にまとめていますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

ポーズも表情も衣装も、完璧!

※2019年12月上旬の撮影だったにも関わらず、公開がこのタイミングになってしまったのは申し訳ない!

人を撮ることの難しさ

まず、被写体が『ヒト』であることを忘れてはいけません。
同じ人物でも、真顔と笑顔では、まったくと言っていいほど印象が違います。これは極端な例ですが、その表情の幅は無限にあると思ってください。

もし僕が撮られる側だとして、「じゃあ、ちょっとだけ笑ってください」って言われて、“ちょっと笑う”を上手くできる自信はありません。たぶん、プロの方を除けば、ほとんどの方は“微笑む”のラインを掴むのに時間がかかります。

また、ヒトを撮るときには、ポージングが必要です。これも、被写体が一般人の場合は、とっさの判断ではできないものだと思っておいた方が良いでしょう。

ロケは井の頭公園からスタート!

木の葉の影などは、アクセントに使えます。

ポイント

ヒトには無限の表情がある!

ポーズも事前に準備!

会話で相手のテンションを上げる

相手が人である以上、コミュニケーションは欠かせない要素です。とにかく、モデルと会話をしましょう。別に笑いを取る必要はまったくありません。ただ、普通の会話を心がけてください。「あ、この人は普通に話せる人だ」と思われることが大事なのです!

簡単なようですが、これが意外と難しいもの。僕はというと、超人見知りで、根暗なので、毎回ドキドキしています。でも、仕事だと思って、別人格を憑依させてでも乗り越えているのです。

会話が弾めば、自分もモデルも、撮影がどんどん楽しくなります。「たのしく」というより、「気楽」の方が正しいかもしれません。

ポートレートは心の距離感が大事!
夜は渋谷へ。ロケーションは事前にリサーチしておきましょう。

そうなれば、自然と表情もやわらいできますし、プロっぽいポージングのオーダーも通りやすくなります。
「こんな感じで撮ってみませんか?」に対して、ノリノリか、仕方なくか。どちらがいい結果になるかはわかりますよね?

まぁ、知らない者同士が集まっているわけですから、コミュニケーションは最低限のマナーだと思ってください。

ポイント

無愛想はルール違反!

「いい写真」は会話から生まれる!

相手がどう撮られたいかを察する力

ポートレートの仕上がりの良さは、モデルの満足感と比例して高くなると考えています。自分の感覚だけを頼りにしていては危険です。

新垣結衣と北川景子のどっちが可愛いかは、人の好みによりますよね?
だから、撮影者はモデルの感覚にアジャストしておかないと、「そうじゃないんだよ〜」と思われて、テンションを下げられてしまいます。

街中にある、強めの光を利用するのもアリ!

「モデル自身が想像している、自分の姿」を基準にして、そこはちゃんと押さえておく。そうすれば相手も安心できるだけでなく、信頼ポイントも獲得できます! それから、少しずつ、カメラマンとしての個性や好みを足していって、より良い写真に仕上げていけばいいのです。

ポイント

自分の「可愛い」「カッコいい」を信じるな!

モデルの想像通りを、まず押さえる!

撮影で押さえておくポイントは?

では、いざ撮影をするとなったら、どういったことを注意すればいいのか? これはカメラマンのよってこだわりが出るポイントかもしれませんね。でも、絶対に押さえておかないと、そもそもポートレートとして成立しない可能性があるものも存在します。

まずは、ピントの位置です。人の写真というのは、目にピンを持ってくるのがセオリーとされています。

顔というのは、割と凹凸があるんですよね。鼻のてっぺんから目までの奥行きとか、彫りの深さとか。なので、f値を1.2くらいまで下げた場合、ちょっとピンが甘くなります。個人的には、顔全体にピンがきていて、シャープな写りにしたいので、f値1.8〜2.2の間で撮ることが多いですね。ただ、屋外や街中での撮影は、背景に人が映ることを考慮して、かなりボケがほしいため、f値1.2まで絞ることも多々あります。

視線だけで雰囲気が変わります。

次に意識しているのは、カメラを構える位置です。これは被写体との距離が近い場合は特に意識しています。
僕は身長が177cmあるのですが、女性を撮る場合、ほとんどが自分よりも背が低いことが多いです。それにも関わらず、僕視点で撮影してしまうと、見下ろす構図になるので、顔が大きく、足が小さくなります。これ、意図していない限りは、スタイルが悪く見えるだけなので、避けてください。

ふとした瞬間に、がしがしシャッターを切りましょう。

僕はいつも、中腰になって、被写体の胸くらいの位置にカメラを構えるようにしています。もしくは、モデルの目線に合わせるのが、いいでしょう。

機材選びのポイントは?

僕が意識しているのは、1点だけ。ズバリ、レンズです。
今回のMinamiさんの撮影では、単焦点のレンズ2本と広角ズームレンズ1本を使用しています。

単焦点をメインにし、ちょっとアクセントのある写真を撮るときに広角レンズを使いました。
屋外撮影、かつ昼間のカット、夜のカットの両方を想定していたため、f値の最小値が低いものを選んでいます。

広角レンズを使う場合、被写体は中央に配置しましょう。端に行くほど歪みが激しくなります。

焦点距離は好みですが、望遠のものだと被写体との距離が離れてしまうため、オススメしません。街中で、ひとりでポーズを取っているみたいになってしまうので……。

あとは、夜の撮影のためのスピードライトですね。僕はスポットライトのような使い方をしています。

まとめ

ポートレートのポイントをまとめると、技術的なことはさておき、人と人での作業であることを忘れないようにすることです。
ちょっとした気遣いとか、会話とか。そうしたコミュニケーションや最低限のマナーを守れないと、いい写真にはなり得ません。

撮影スポットとされている場所は、他の撮影隊がいる場合もあるので、譲り合いましょう!

撮影ばかりに気を取られすぎないよう、相手への配慮を欠かさにようにしましょう。
逆に、会話ばかりして、ぜんぜん撮影をしないのも不信感を抱かせるので要注意です!

次回は、アイタイスのサイトのメインビジュアルを撮影したときにお話。お楽しみに!

PROFILE

Minami

ダンサー・振付<ダンスチーム:ALUS(サルズ)所属>

■ 経歴
RADIOFISH 「Stepping on the fire」 MV出演
BILLIE IDLE 「エブリデイズ」 MV出演
鷹の祭典 2018 東京ドームダンサー
Yummiライブバッグダンサー
竹内涼真主演映画「センセイ君主」イベントダンサー出演
TRRIGER ライブバッグダンサー
リクルート「ホットペッパービューティー」「ホットペッパーグルメ」「じゃらん」CM出演

■ 所属チーム
Minami,yayako,Seiji yazawa の女2人男1人からなる3人組のフリースタイルダンスチーム。
邦楽での感情系のダンスや洋楽のカッコいい曲でのダンス、ハットを使ったりするダンスといろんなジャンルの曲で主にクラブイベントなどに出演。
定期的に練習会も開催している。
『AZUR-D-BOYZ×Endancestudio presents team contest Scope』ファイナリスト

■ SNS
instagram→@minaminami_913
twitter→@minaminami_913

Editor’sNote

西村優祐

西村 勇祐

誰かを撮るって、めちゃくちゃ緊張するんですよね。誰でも写真が撮れてしまう時代だからこそ、ハードルが上がっているというか……。それでも個人的には、人を撮るのが一番好きです。「ちょっと撮って!」という人がいたら、お気軽にご連絡ください!!

EF24-70mm F2.8L II USM

227,200(税込)

西村 レビュー

こちらが現行の24-70mm F2.8です。F2.8通しのレンズは「広角」「標準」「望遠」が存在しており、それら3本が大三元レンズと呼ばれています。

参照元 https://store.canon.jp/online/g/g5175B001/

https://store.canon.jp/online/g/g5175B001/