カメラマンの西村です。“月刊”というタイトルを変えたい。せめて“季刊”にしようかと悩んでいます。
久しくこのコラムを書いていませんでしたが、『7月は絶対に書く』と決めていました。
プロポーズを控えている人がいたら、とても参考になると思います。
結婚記念日がありました。
7月13日が結婚記念日です。私たちの場合“入籍した日”を、それにしています。
2019年7月13日は休日だったので、記入した婚姻届を、休日窓口のおじさんに渡して終了。
「おめでとうございます」もなく、ただ事務的な確認を済ませて入籍が完了しました。
役所から出て、自販機でソーダを買って、飲みながら帰るだけ。
そんな1日を、おそらく死ぬまで覚えているのだから、結婚ってすごいなって思います。
なんてことのない記念日だからこそ、僕はあることを決めました。
『毎年、結婚記念日にはバラの花束を贈ろう』
なんか、気持ち悪いでしょ(笑)。でも、僕なりの理由があります。
それはプロポーズを盛大にミスったという過去があるから。
細かいことは割愛しますが、僕は『M-1グランプリ』を観ながらプロポーズしました。
1組目のコンビが漫才を終えて、ちょうどCMになった頃に、唐突に『結婚しようか』って伝えたんですね。
奥さんは、唖然。答えは『え? いま??』でした。
『これは、よくない』
そう直感しました。むしろ、なぜM-1を観ながらのプロポーズで良いと思っていたのか不思議です。
翌日、仕事を終えた僕は、閉店間際の花屋さんに駆け込みます。
人生に1度しかないプロポーズを、M-1の合間にされた奥さんに、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
だからせめて、彼女の好きな花を贈ろうと思ったんです。
それで、ドラマさながら、店員さんにひと言。
『店にある赤いバラを全部ください』
より、気持ち悪いでしょ? 言えますか?? このセリフ。
でも、花束を受け取った奥さんは、すごく喜んでくれたんですよ。
それから毎日水を変えてくれて、枯れそうになったらドライフラワーにまでしてくれていました。
それから約1年半。また、家の片隅にバラが吊るされています。
新しいカメラを手に入れました。
奥さんから、カメラをプレゼントしてもらいました。
サプライズというわけではなく、僕から指定したんですけどね。
そのカメラがこちら。
『FUJIFILM X-Pro2』です。
これまで、デジタルカメラはキヤノンをつかっていました。
ここに来て、別メーカーにしたのには、2つの理由があります。
プライベートでも撮りたい
仕事の用途によって、カメラを使い分けたい
これまでは、仕事以外での撮影は『ローライコード』という二眼レフか、『ASAHI PENTAX KM』という一眼レフを使っていました。
いずれもフィルムカメラなので、単純にお金がかかるんですよね。
フィルムカメラを使いたい気持ちはあるのですが、かなり気合いを入れたときしか持ち出さなくなっていました。
だからデジタルカメラで、プライベートでも持ち出せるサイズ感、かつ操作性もフィルムカメラライクなものを選んだんです。
そして2点目。
これは語弊があるかもしれませんが、仕事においても『必ずしもプロ仕様の機材を使う必要はないな』と思いはじめたんです。
要は、自分が妥協せずに、クライアントの要望に沿った撮影ができれば、機材は問わないということ。
見る人にとって、フラッグシップの一眼レフで撮影したという事実は関係ないですし、おそらく、見分けもつきません。
最近、学生のポートレートを撮る機会があったのですが、カメラが大きい故に「プレッシャーになってない?」って思ったんです。
それって最悪なんですよね。こちらは撮影に集中できなくなるし、相手もなんか緊張しているという状況。
だったら、小さいカメラでもいいじゃないって思うわけです。
身軽な方が、移動も楽ですし、良いことづくめ。
“写真を撮る”って、すごく身近になりましたよね。
それは良いことだし、個人的にもいろいろな写真が見られるので嬉しいんです。
ここ数年は、仕事になっていましたが、あらめて『趣味=写真撮影』と言えるように、ガンガン撮っていきたいと思います!
ちなみに……
今回の記事で使われている写真のほとんどは、FUJIFILM X-Pro2で撮影しました。
それを『関西写真部SHARE』で販売されているプリセットを基本にし、現像しています!
【作例】
プリセットって、カメラマンの財産でもあるんですよね。
それを手に入れられるってすごいことで、まるでバンドスコアみたいなお得感があります。
スナップ写真向けのプリセットのリリースも楽しみです!
では、またいつか、お会いしましょう!!
写真家・鋤田正義氏のドキュメンタリー映画を観ました。人生で最初に撮った1枚が、母親の写真だそうです。「これが初めてなの!?」って声が出ると思いますよ。連休があれば、ぜひ観てください。世界的に有名な写真が、日本人のクリエイターによって作り上げられていたことを実感します。