この春、男所帯だったアイタイスに、突如舞い降りたうら若き乙女・田村めぐみ。
とにかく真面目で、どんな業務にも意欲的に取り組み、グングンと成長している、向上心の塊のような24歳です。
そのポテンシャルはとどまることを知らず、年上にも物怖じしない度胸やユーモアは、アイタイスに入るべくして入ったと言っても過言ではありません。
そんな彼女との出会いは、僕が講師を勤める、音楽系の専門学校でのことでした。その日にさかのぼって、今に至るまでを、彼女の人柄やエピソードとともに数回に分けて、元先生で現上司の西村がご紹介します。
しっかり者の女の子。と思いきや、かなり肝が座った逸材ッス!
1995年4月19日生まれの24歳
出身は九州は大分県
上司に対して真顔でムチャぶりをする
今から約1年とすこし前の2018年の春。とある専門学校での話です。新年度を迎えた初日ということもあり、講師である僕は、かなり時間に余裕を持って教室に向かいました。ドアを開けると、すでに着席している2人の女学生。そのうちのひとりが、田村でした。そのため、彼女の第一印象はと聞かれたら「早いな」になります。
2年生となった田村は、学内でも評判になるほど、優秀な学生。アーティストのマネージャーになるべく、自主的に外部の現場スタッフとして働き、着実に音楽業界への階段を登っていたように感じます。
では、なぜ、いまこうしてアイタイスの新人として紹介されているのでしょうか。
それは、彼女のふとしたひと言が発端となっています。
「先生、私のこと雇ってくださいよ」
当時の僕は、「田村めぐみには、音楽業界以外の選択肢はありえない」と思っていたので、冗談であることは理解していました。
と同時に、心の中で「(チャンスかもしれない)」と考えたのも事実。
なにせ、授業を見ていても逸材であることは明白でした。そして何より、当社でもちょうど採用を検討しはじめたタイミング。この機を逃してはならないと思ったのです。
しばらくして、社長を含めた3人で面談を行い、会社として彼女の将来に役立てるよう、全力で育成することを約束しました。
そう、この日の感触はとてもよかったんです。僕にいたっては、もう入社してくれるとさえ思っていました。
そして迎えた最終授業の日。僕の席にテクテクと向かってきた田村は、開口一番、こう言い放ちます。
「アイタイスさんは、お断りします」
ずーーーーーん。
実はその前日。社長との社内ミーティングの中で、「田村さん、9割8分、うちに入ってくれますね!」と、自信満々に語っていました。いや、本当は「10割」と言いたかったのを、必死に我慢しての「9割8分」だったんです。
残念やら、恥ずかしいやらで、頭が真っ白になっている僕に向かって彼女は、追い打ちをかけるように、あるお願いをしてきました。
「もう一方の会社に、内定を受ける旨を伝えるので、メールの内容をチェックしてください」
ず、ずーーーーーーーーーーん。
この天然物の度胸。素晴らしいではありませんか。
しかし、そのメールの内容を読んでみると、入社を明言するような文脈がありません。僕は「これでは先方が困ってしまう。結局、どうしたいのかを、はっきりと書きなさい」と伝えました。すると、田村は「もう一度考えます」と書き上げたメールを消してしまいます。
そう。アイタイスに、もう一度チャンスが訪れた瞬間でした。結果的に、改めて面接をこじつけることに成功したのです。
その後、紆余曲折を経て、2人の大人のオトコを振り回しながら、誕生した期待の新人・田村めぐみ。
次回は、彼女のプロフィールを見ていきたいと思います。
Editor’sNote
男二人だけの職場に、若い女性を採用するのは、双方にとってかなりのプレッシャーがあります。その点、彼女はもともと教え子だったということもあり、警戒心はありませんでした。田村を採用できたことは、僕のアイタイス人生においても、もっと大きな功績と言えるでしょう。ちなみに、採用のためなら、五反田の道端で土下座まではしていいことになっていました。