ナニワ経営道

【連載:ナニワ経営道 Vol.07】
古田系? ノムさん系? それとも尾崎豊系?

UPDATE 2021.02.24

NANIWA STORY

大阪の予備校で
同じクラスになってから20余年。
3人の仲良し同級生は、大人になり、
いつの日か、社長となりました。
2人は大阪のまま。1人は東京へ。
でも共通しているのは、
全員が関西弁で話す
ナニワの経営者であること。
そんな3人による、
井戸端会議を連載していきます。
ちなみに原稿作成の手間を省くために、
収録は音声ではなく
コピペができるメッセンジャーで。
それも、みんな忙しいから
1時間というしばりつき。
さて、どんな経営話が
始まるのでしょうか……。

廣瀬大輔株式会社BHF 代表取締役

吉田龍司株式会社スライムデザイン 代表取締役

雨森武志株式会社アイタイス 代表取締役

理想は毎日ゴルフ? それとも……

雨森
こんにちはー!
廣瀬
まいどー!
吉田
こんにちはー!
廣瀬
今日は前回と違ってサーフェスちゃうから快適!(サーフェスについては前回を参照)
雨森
やっぱりお昼にやるのがいいな!
吉田
そやね!
廣瀬
んだ!
雨森
ということで隠れファンの多いナニワ経営道、今日もやっていこ。
廣瀬
別に隠れてなくてもええでー!
雨森
いや、ほんまに。ほれ、そこのキミとか。そこのキミも! ということで、今日は吉田くんの決めたテーマやな。どういう議題やっけ?
吉田
プレイヤーから経営者に」。その過渡期というか、タイミングというか、なんかそんなお話をできればと。
雨森
いつ変わるのか、変わりたいのか、変わりたくないのか、そんな話よね。いや〜、究極! むずみ!!
吉田
そういうことです!
雨森
ん〜、じゃあとりあえず吉田くんから行く?
吉田
はい!
吉田
……
吉田
……
雨森
「はい!」といいつつジムニーをする、新しいスタイル!(「ジムニー」については 2回目を参照)
廣瀬
斬新!
吉田
あ、ごめん、ごめん。急にムラムラきちゃって……。現状、僕はまだまだいちプレイヤーやけど、会社がもう少し大きくなった時に、このスタイルでは限界があるなと感じてて。手を動かすよりも、もっと経営のことを考えたり、新しい仕事を取ってきたり、そういったことに考えを巡らす必要があるなと。
雨森
ふむ。それを聞いて、気になる点が2つ。1つ目は「もう少し大きくなった時」っていうのは、主に人数的な話? 2つ目は「仕事を取ってくる」のは、プレイヤーではなくて、経営者の仕事っていう認識かな?
吉田
「大きく」っていうのは、人数ももちろんやけど売り上げ的にも。で、今は各人がプレイヤーとして仕事を取ってきている状態やから、もっと違った動き方もできるのではないかと。
雨森
つまり例えば吉田くんが仕事をとってきて、そのまま吉田くんが手を動かす。もしくは部下の酒井くんが仕事をとってきて、そのまま酒井くんが手を動かすっていうのが現状なわけやな? で、それを変えたいと。ってことは、例えば営業を入れるっていう方法でもいいんじゃないの?
吉田
うん。そういう話になるときもある。もしくは僕が取ってきて、プレイヤーたちに割り振るでもいいし。
廣瀬
そのやり方が、吉田くんに合ってると思うけどな。
雨森
う〜ん、いま思ったけど、根本的な話ではあるけど、プレイヤーではなく、経営者の仕事ってつまりどの範囲やねんっていうのがあるよね。会社が動いている以上、経営者としての仕事もすでには絶対にやってるはずで。どう定義して話をするか、決めた方がいいかも……。
吉田
そやね。経営者って……つまり、なに??(笑)
廣瀬
え、なに???(笑)。まあつまりは、「経営をする人」やろうな。
雨森
今の吉田くんの話からすると、仕事をとってくるのも、手を動かすのも経営者がやることじゃないっていうイメージ?
吉田
うん、それらをバランスよく振り分けるみたいな。それでいて、会社としての方向性を示す的な。
雨森
でも中小企業、もっと言うと数人の零細企業で、プレイヤーを卒業していわゆる社長業だけをやってる社長なんか、周りにおる?
吉田
おらん(笑)
廣瀬
社員が数十人になってきてはじめておるかもな。
吉田
でも逆にそういう社長って、何をしてるんやろ?
雨森
うん。あんま分からんよな。会社の方向性を示すっつったって、24時間365日それをやる必要はないわけで。
廣瀬
ほんまに自分がおらんくても回る組織になってるのであれば、ゴルフのはず(笑)
吉田
そっちか……
雨森
最高やないか。
廣瀬
まあゴルフっていうか、サッカーでもなんでもええんやけど。

実際にゴルフを嗜む廣瀬社長(写真左)。ベストスコアは100を切ったものの、上達への道は険しいと語ります。

雨森
それって、どう? 働き方として理想やと思う?
吉田
まったく理想ではない!
廣瀬
ないんかーい!
雨森
ってことは、吉田くんはずっとプレイヤーでいたいってことか。
吉田
うん。基本的にプレイヤーとしていたいっていうのはあるかな。でもそれが毎日深夜まで作業して……みたいなのはよくないけど。
廣瀬
目指せ、古田敦也でええんちゃうか!
吉田
プレイングマネージャー!
雨森
代打、俺。D・D・O
吉田
代走、屋敷。
雨森
D・S・Y。巨人なのに、ヒゲ。
廣瀬
絶対あかんやつ!
雨森
じゃあ廣瀬はどう? 毎日ゴルフは理想的と言える?
廣瀬
いや、毎日ゴルフはたぶん飽きるな(笑)。あれは仕事の隙間にするから面白い!
雨森
ゴルフだけをやってるのは確かに飽きるとして、とにかくプレイヤーとして実務しなくてもいい状態、つまり自分はお金を稼がなくてもいい状態はどう? それも別に理想じゃない?
廣瀬
う〜ん、俺の理想は、仕事とかプライベートとか遊びとかゴルフとか、そういう枠組みをすべて取っ払って毎日を過ごすことかな。でも生きていくための売上は必要やから、実際に俺が仕事をしなくても売上がたつ事業がいると思ってる。だからブライダルを続けてる感じ。そういう意味では、それも理想ではないかな。
雨森
なるほど。俺は「毎日ゴルフ」はあえて理想と言っていきたいな。その上で「あ、実際にそうなってみると、やっぱこれは楽しくないわ」「現場に戻って、仕事したい!」って感じたい。
廣瀬
うん。それも一理ある! 毎日ゴルフしてみないと気持ちなんてわからんもんね。
雨森
そうそう。意外と飽きひんくて、ほんまにおもしろいかもよ。
廣瀬
それで会社が成り立ってれば問題ないしな! 現に俺が一緒にゴルフに行く人の中で「週5でゴルフ」っていう社長、ほんまにおるもん。

安西(先生)ばりに、勝たせてあげたい。

雨森
俺らみたいな創業社長が完全にプレイヤーじゃなくなることなんか、あるかな。俺はかなり先までないと思ってるけど。とはいえ前々回に登場してもらったテリーさんはそうじゃない? もうお店には出てないって言ってたから。
廣瀬
うん。確かに飲食業で考えれば、彼はもうプレイヤーではないやろな。
吉田
やっぱり会社の規模もあると思う。
廣瀬
せやし「何をもってしてプレイヤーと呼ぶのか」問題もある。
雨森
特に廣瀬の場合はむずいよな。俺と吉田くんは自分が担当するクライアントを持たなければ、もはやプレイヤーじゃない感はあるけど。
吉田
うんうん。
廣瀬
ブライダルにおいては、残り3組で卒業よ!
雨森
おお! この支配からの!!
廣瀬
その3組がコロナで延び延びになってるけど。
吉田
それって、パーティーの現場に出ないってだけじゃなくて、打ち合わせもしないの?
廣瀬
うん。プランナーはもうやらないから、打ち合わせもしない。司会者として入る時は、司会者としての打合せが1回だけあるかな。
雨森
そもそもじゃあ廣瀬はどうなん? 最初の吉田くんのお題に対しての考えとしては。
雨森
(ちなみに尾崎豊ネタをぶっ込んだのにも関わらずスルーされた傷は癒えてないよ)
雨森
(「夜の校舎〜」くらいまでテキストは用意してたのに)
吉田
wwww
廣瀬
あ、ごめんな(笑)。俺の場合、創業以来ずっと自分が先頭に立つことで広告塔になって、あとは周りからの紹介にもめちゃくちゃ助けられて、大した広告も出さずに10年に渡ってやってこれた。その結果、いつからか『FOR U』っていうサービスが俺のものっていうよりは、個別のキャラみたいに思えるようになったんよね。そこからは自分が先頭に出なくてもええわって思えるようになってきて。
吉田
廣瀬社長が前に出なくなったからこそ、より回っていったっていう部分もあるかもね。
廣瀬
うん。各スタッフに、それぞれができる仕事をお願いしていけば、自分nい、、、あ……
雨森
サーフェス?
廣瀬
いや、今日はサーフェスではない! 気を取り直して、スタッフに仕事をお願いしていった結果、時間的にも気持ち的にも余裕ができてきたから、最近はその時間をどう使おうかなーってずっと考えてる。そういう意味では、あんまり「プレイヤーなのか経営者なのか」みたいな風には考えてないかも。

ゴルフを嗜まない吉田社長の趣味は、ずばり「キャンプ」。仕事と趣味の融合を目指して、イベント出店も含め年に20泊程度、山間部へと繰り出しているそうです。

雨森
ここで割と切実かつ現実的な話として、自分が稼がなくても会社が持つのか、そうでないかっていうのがあると思うんよね。
吉田
それ、おっきいよね。
雨森
そういう意味で俺はプレイヤーから抜け出したくても、今はまだ絶対に抜け出せない。その点、廣瀬はちょっと進んでて、抜け出しかけてるってことじゃない?
廣瀬
そうかもしれん。コロナが明けて、ブライダルが復活したら抜けれるかも! でもそのブライダルだっていつまでも続かないから、今のうちに次の一手wお考えないと。うわ、サーフェス!
雨森
いやいや、今日はサーフェスじゃないから。マイクロソフトに怒られるわ!(笑)。ちなみにブライダルは同じ受注内容なら、廣瀬がやってもスタッフがやっても同じ額なん?
廣瀬
うん。同じやで。「差をつけたら?」とも言われるけど、それはなんかできひん。
雨森
でもそれはいいことよね。まずその段階まで持っていけるかどうかやと思う。つまりは「廣瀬だから発注している」っていうところを抜けだしているわけで。
廣瀬
そうやね!
雨森
じゃあとりあえずウエディングだけでもスタッフが回しておけば会社は存続していて、あとは次の一手のために、廣瀬が近々の売上は気にせずに挑戦できるってことよな?
廣瀬
うん。今はまだ赤字まみれやけど!
雨森
え、じゃあそれってもう毎日ゴルフの社長やん!
廣瀬
いやいや! ゴルフを毎日する余裕はまだない(笑)
雨森
ちなみに俺はというと、さっきも言うた通り、できるだけ早いことプレイヤーではなくなりたいんよね。その状態になった上で「やっぱりもう一度、プレイヤーに戻りたいなー」って思いたい。それと今日は1枚の画像を用意してて。これ、地味やけど、スラムダンクの中で俺がめちゃめちゃ好きなシーンなんよね。ちなみにどこやと思う?
吉田
三井?
雨森
ちゃう。ミッチーは好きやけど、ちゃう。
廣瀬
小暮!
雨森
ちゃう。小暮くんも好きやけど、ちゃう。正解は……。

『スラムダンク』(集英社)単行本15巻より

雨森
海南戦のここ。「なんとか勝たせてあげたい… なんとか…」のとこ、マジでめちゃめちゃ好きやねん。地味やけどね。
吉田
安西?
雨森
おいおい、呼び捨てをすな! つまり何が言いたいかというと、スタッたちに成功体験をさせてあげたい。例えば同じ100万を稼ぐとしても、自分で稼いだときと、部下が稼いだとき、校舎の方が100倍くらい嬉しい。
廣瀬
あ! 尾崎! 窓ガラス!!
吉田
学舎! 夜の!!
雨森
しまった! 今日一番大切な話やったのに、痛恨の誤字! でも、それってない? 自分よりスタッフが活躍した方がテンション上がるやろ?
吉田
それはわかるなー。
廣瀬
あるよ。あるある。
雨森
だから部下が自分の案件で頑張ってる姿を横目に、ぜんぜん気にしてないふりはしているけど、ほんまは心の中で「なんとかうまくいけ…なんとか…」っていっつも思ってる。安西ばりに。
吉田
いや、呼び捨てをすな(笑)。でも俺の場合は、部下の活躍は嬉しさ90、寂しさ10くらいかな。
廣瀬
その「寂しさ」っていうところがポイントかも。だって俺、寂しさゼロ!
吉田
まじか!
雨森
うん。そこに関しては、俺も末っ子長男やけど、寂しさゼロ!(末っ子長男に関しては、前回をを参照)
吉田
(笑)
廣瀬
そこに寂しさを感じる人は、古田を目指すべきなんちゃう?
吉田
代打、俺。
雨森
D・D・O
廣瀬
そして感じない人は、目指せノムさん!

商いは、深い。
だから頑張れる!

雨森
話をまとめると、部下が稼ぐだけで会社が存続している状態は、つまりは部下が成功体験をしまくってるってことやから、俺からしたらほんまに理想なんよね。それが故に、彼らが気持ちよく働くために、例えば社長である俺はずっとトイレ掃除をしてるとか、コンビニに買い出しに行くとか、ぜんぜんそれでいい。むしろ、まじで理想。もちろんそういうのが経営者がやることかって言われると違うんやろうけど。それくらい部下に成功体験を与えたい。だからそういう意味で、ほんまは現場からは1日でも早く離れたいっていうのが俺の意見かな。無理やけど。
廣瀬
無理なんかーい!
雨森
まだまだリームー!
吉田
そうかー。僕は「みんなで成功しよう!」って思っているから、やっぱりまだまだプレイヤーやな。
廣瀬
まずは仕事を振れる部下を入れよ! 俺、4月krあa……サーフェス!
雨森
いやだから、今日はサーフェスちゃうから! 
吉田
もはやサーフェスのせいではない!
廣瀬
ただのタイピングスキル疑惑(笑)。赤字まみれやのに4月から1人追加するで。

ゴルフをやらないどころか、特に趣味のない弊社・雨森は、全休日の全時間を家族と過ごします。子どもが巣立った後が心配!

雨森
でもさ、俺らの業界やったら雑誌でよく見るようなビッグネームでも実際デザインをやってたり、設計をやってたりするわけやし、そもそも俺とか吉田くんはものづくりが好きでやってるから、けっきょく抜け出せへんと思うで。あれ? 俺、言うてること、矛盾してるな(笑)
廣瀬
それくらいknおo、お、サーフェス!
雨森
いや、スキル!
吉田
ほんま怒られるで!
廣瀬
それくらいこの問題は深いってことや!
雨森
あと、飽きるっていうのもあるけど。前回の廣瀬じゃないけど。吉田くんはそれはない?
吉田
飽きることはないと思う。いつも新しいことしてるいし、していたいし。
雨森
ふぇぇ。俺はぶっちゃけあるなー。それを超える責任感があるから、仕事は100%の気持ちでやってるけど、ほんまはちょっと飽きてる。もちろんやり始めたら、没頭することもあるけどね。
廣瀬
いや〜、商い、奥が深いねー!
雨森
また何年か後に同じ話をしたいな。状況も変わってるやろうし。むしろ変わってなかったら大変や。変わっているように、がんばろ!
吉田
頑張りましょ!
廣瀬
ましょー! 素敵な40歳になりますように!
雨森
あ、廣瀬社長、ちょっと早いけど、ハピバ!
廣瀬
いよいよ突入!
吉田
おめ!
廣瀬
前厄!
吉田
わてら本厄!
雨森
大丈夫や。ふきとばそ! ちなみにさっきのスラムダンクみたいに、会話の途中でちょっとしたクイズ形式を挟んでくる人おるやん? あれやる人、めっちゃうざいよな。
廣瀬
(笑)
吉田
(笑)
廣瀬
(爆)
吉田
(爆)
雨森
(爆)

今月のお仕事

株式会社BHF

リモート乾杯プロジェクト

廣瀬

コロナ禍になってから始めたリモート乾杯プロジェクト。なんだかんだで今月で32回目の生配信でした!登録者数も激しく微増だけど、今まで確実に交わることがなかった人たちと出会えるのが何よりの楽しみ。いつまで継続するのかは誰も知らないプロジェクトです(笑)

リモート乾杯プロジェクト YOUTUBEチャンネル

株式会社スライムデザイン

コンセプトカフェ&バー『petit mer』

吉田

秋葉原と並ぶ“西の聖地”である大阪日本橋に事務所を構えて8年が経ち、ようやくきました、メイドカフェのお仕事。新しいカルチャーに触れた刺激的なプロジェクトでした。

株式会社アイタイス

輪島・朝市のカフェ『KALPA』

雨森

1月末に輪島にあるカフェ「KALPA」のサイトをローンチ。撮影に丸々3日間をかけ、カフェに関わる情報に加えて「輪島塗」にもフォーカスするなど、アイタイスのコンテンツ制作力が爆発した案件となっております。ちなみに公開と同時に、目ン玉が飛び出るくらいのアクセスがあって「!!!!!!!??????」と思ったらデザインギャラリー的なサイトに掲載されまくった結果でした。つまり本来のターゲットである観光客ではなく、WEB制作関係者にばかり見られていたっていう、嬉しいような悲しいような……。

輪島・朝市のカフェ「KALPA」

ナニワ金融道(1)

21(税込)


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レビュー

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