目次

UPDATE 2020.03.02@Nipponbashi

Vol.02

社長に訊けば、社長に効く。

Vol.02 slyme design Inc. 代表取締役
吉田龍司氏

アイタイスの社長、雨森が、親交のある先輩社長にお話を聞くことで、アイタイスにも取り入れられるところは、どんどん取り入れていこう! というこの連載。2回目のゲストは、大阪の日本橋に事務所を構え、内装やインテリアと、プロダクトデザインの両軸でものづくりやクリエイティブワークを行う、slyme design Inc. 代表の吉田氏です。

収録日 : 2019.12.06

対談メンバー

雨森武志

雨森武志
株式会社アイタイス 代表取締役

2004年に僕が運営していたメディアで鼎談を。
2010年には、同じく僕のやっていた
メディアで連載を担当してもらい、
2016年には、これまた僕が運営している
別のメディアで取材を、
そして今回にいたります。
どうやら、コンテンツに困ったら、
吉田くんに声をかけてるな……。

吉田龍司
slyme design Inc. 代表取締役

スライムみたいに形を自在に操るデザイン屋。
空間、インテリア、店舗設計、
プロダクト、グラフィックにいたるまで。
趣味はキャンプと温冷浴。
裏なんばをこよなく愛する。

はじめに

吉田くんと雨森は、大阪の予備校で同じクラスとなった時からの知り合い。

そこから関係は続き、特に20代後半、雨森の上京直前は、毎週のように遊んでいた仲。

2012年に大学時代の後輩である酒井くんと2人で作ったのが、今の会社の前身となる「スライムデザイン」というクリエイティブユニット。

雨森は吉田くんのことを、仲のいい友達でありつつ、同じものづくりを行うクリエイターとしてリスペクトし、たびたび取材をしている。

そんな2人、お互いを「吉田くん」「アメヤン」と呼び合っている。

同級生との対談は、いつもの通り、タメ口。そして大阪弁のまま編集をせずにお届けします。

テーマ1『内装・インテリアと、プロダクトの2本柱で!』

先輩社長に経営ノウハウを教えてもらうっていうコンテンツなんやけど、まあ今回はもっとカジュアルな感じで。吉田くんとは、もうめちゃめちゃ長い付き合いやし。
そうやね。アメヤンがやってた別のメディアでも、連載を担当させてもらって。あれはもう10年近く前よな。
ペコンとコンペ生活。』ね。あれ、面白かったよな。あの連載当時は、まだスライムデザインは会社ではなくて、吉田くんも、仕事の相方である酒井くんも、それぞれ別の会社で働いていたよね。
うん。俺は大学を卒業してから店舗の設計をやっている会社で、事務所にほぼ居候している感じで修行してた。酒井はまた別で、プロダクトとか家具のデザインをやっていた時期かな。
その後、法人化はせずに2人で仕事をしてたよね。会社にしたのは、どんな経緯で?
2009年の5月に、酒井とユニットを組んで活動をしていて、2012年に『slyme design』を名乗ったんかな。で、2013年には2人とも会社を辞めて事務所を構えて。
じゃあ2人でやり始めてからは10年くらいか。
そう。法人化したのは、さらに3年後の2016年の3月。だから、会社としては4年目やね。個人事業主としてやってきたときから数えると、7年目。
事業としては、内装の設計とかインテリアのデザインがメインになるのかな?
柱は2本あって、僕がやっているのが、インテリアとか空間のデザインやね。主に飲食店とかショップ、最近はオフィスも多いかな。で、酒井はプロダクトのデザインをやってる。メーカー系のお仕事と、自社ブランドも。
吉田くんの領域って、あんまりピンと来ないねんけど、建築士とか設計士とはどう違うの?
建築士は何もないところから建てるやん? 僕らは、すでにある建物の中身をつくる仕事なんよね。だから免許はいらない。でも図面はひいてるよ。
でも、外の箱に携わることもあるんでしょ?
それもある。要は、“構造には触らない”ってことやね。例えば「壁を破って窓にしましょう」っていうことは、免許がなくてもできるから。
なるほど。「この柱を抜きましょう」はできないけどってことか。でも、建築士が吉田くんたちの領域までカバーすることもあるよね?
うん。でも内装には興味を持っていない人もけっこういるから。一般の住宅でも、インテリアに関しては、けっきょくお施主さんが好きな椅子とかテーブルを置くやん? 僕たちは椅子とかテーブルも作れるし、そういう中身の全部をやっている感じやね。

吉田くんを招いた対談コンテンツは、3回目。最初はなんと2004年までさかのぼります。

「西の秋葉原」と呼ばれる大阪の日本橋(「にっぽんばし」と読みます)のど真ん中にある事務所。1階は店舗にもなっています。
会社にしたのと同時に、自社ブランドも立ち上げたんよね? 数年前に別のメディアでも取材させてもらった『DOOGOO®(=ドゥーグー)』。
そうそう。法人化と同じタイミングで。
DOOGOO®は、どういうキッカケで生まれたの?
俺がはじめてキャンプに行った時に、めちゃめちゃハマってしまって。「これを趣味にしたい!」って思ったのがはじまりかな。でも当時は、何ひとつグッズを持ってなかったし、どうせ趣味にするなら、それが仕事になったら楽しいなと思って、酒井に相談したんよ。
プロダクトは酒井くんの領域やもんね。
うん。そしたら酒井も「いいですね!」って。そこから彼がブランド全体を引っ張ってってくれてる。もともとは2人でいろいろと話をしながらものづくりをしていたから、それと同じ流れで、自然発生的に産まれたブランドやねん。

現在発売中の「DOOGOO TIME THE TABLE 420」(画像は公式サイトから)

持ち運び時は、こんなにコンパクトに!(画像は公式サイトから)
発表から4年目になるけど、反響はどう?
少しずつ広がっているよ。あと、売上以外の部分でも、貢献してくれるようになったかな。
吉田くんが担当している店舗設計の方にもつながっているってこと?
うん。まあ直接的かどうかは微妙やけど、今は全国の約50店舗で買えるし「こんなのもやってるんです」って言えるのが大きくて。あとは、このブランドを先に知ってもらって、そこからスライムデザインにたどり着くパターンもある。
入り口は広くなるよね。オリジナル製品をつくれるってことは、企画力やデザイン、カタチにする技術のすべてが必要なわけで。そういうアピールにもなる。
そうやねん。今は机だけやけど、春くらいにはいよいよ椅子も発売するよ。将来的には、キャンプ道具一式をDOOGOO®で揃えられるようにしたいな。

テーマ2『経営者、プレイヤーとしての苦悩、そして発見。』

いまスライムデザインがやっていることって、いわゆる定価みたいなものは、決まってるの?
いや、案件の規模によって変わっちゃうから、明確な価格は決まってないんよね。それはアメヤンも同じじゃないの?
アイタイスは一応、決まった価格があるよ。でもその通りの額で発注してもらうのは、なかなか難しいよね。ブランディングとかクリエイティブって、要は俺の頭の中にあるメソッドを使う商売で、それに対して値段をつけてるんやけど、説明がつきにくい項目とかがめっちゃある。
分かるわ。俺らの場合、例えば発注内容としては、「店舗の内装」ってことだとしても、物件探しからお手伝いすることもあって。それはつまり、その場所で出店して、飲食業としての商売が成り立つかどうかを一緒に考えるってことなんよね。
そうなると、コンサルティングの領域やね。
うん。俺は飲食系の案件が多くて、ノウハウは溜まっているから。将来的にはそっちをメインにしていきたいと思ってるくらいやねん。そうじゃないと、内装って、センスがあって上手にするところはたくさんあるし。違いを見せられるのは、むしろそういうコンサル的な部分かなと思って。
まあ今どき、どこの業者に頼んでも、そこまで変な仕上がりになるってことはないってことか。
センスがいい人なんて山ほどいるし、これからもどんどん出てくるからさ。その中で、内装だけじゃなくて、出店計画とか、お店のコンセプトメイクまで一貫してできるっていうことを、スライムデザインの価値として打ち出していきたくて。
そういうコンサルティングとか、プロデュース業務みたいなところに、ちゃんと予算はついてるの?
いや、今は見積もりに乗せられなくて。本当はそれにも値段をつけないとあかんねんけどね。でも、すべてが見れるからこそ、仕上がりはいいものになるし、その店舗の売上にもつながると思ってる。例えばすごく些細なことやけど、「箸置きはどんなものにしたらいいですかね」みたいなことまで、最近は相談されるねん。それは信頼されているってことかなって。
そうやね。ただそれは、吉田くんの人間力によってなし得ていることであって、再現性は低いよね。それが経営という観点からみた時に正しいのかっていう。本当はどのスタッフでもできる方法論にした方がいいわけで。かつ、吉田くんだからこそできることなのであれば、それこそ請求すべき部分やし。
そうやねん。でも現実問題として「箸置きの相談、5万です」って、なかなか通用せえへんところもあるやん? 特に関西では難しい。もちろんすべての項目に価格が決まっていてっていうのが理想やけどね。
言い値でしか発注してもらえないっていう苦悩は、俺らもぜんぜんあるよ。それに合わせて、無理やり見積もりをつくる、みたいな。会社をやっていると、それでも受けないといけない状況が産まれてくるからね。
お金かかるからなー。会社は。俺もそうやし、アメヤンもそうやと思うけど、例えば体調を崩して1ヶ月働けないとかなると、ヤバくない?
ヤバいヤバい。だからこそ、社員一人ひとりが稼げる状況をつくらないとあかんよね。
うん。俺が必死に頑張って、売上が倍になるならそれでもいいけど、やっぱり限界があるから。スタッフの底上げはしていかないと。

施工事例の画像をいただきました。素材感がカッコいい!(画像はスライムデザインより支給)

こちらは大型飲食店の内装。まるで海外の店舗のようですね。(画像はスライムデザインより支給)

こちらも飲食店。凛とした雰囲気が気持ちいいですね。(画像はスライムデザインより支給)
あと、俺らもほっといても歳を食うわけで、そうなると、クライアントはどんどん若くなっていく。例えば今から10年後に「若い子が、わざわざこんなおっさんに、発注するかな?」って。やっぱり若いスタッフたちが活躍できる環境をつくらないとね。
俺もプレイヤーとしての旬はあると思ってる。「高くても、あの人にお願いしたい!」っていうところから「あの人は、高くて、しかもセンスも古い」ってなるラインが来ると思うねん。
だからこそ、組織が必要になるよね。今は俺しかできないことでも、部下ができるようにして、そうなったら俺はより上の領域に行く。その後は、またそれを部下ができるようになって、その部下がやってたことは、さらに下のスタッフができるようになる。そういう循環で組織が成長していくのが理想やと思ってるけどね。
じゃあやっぱり仕事のマニュアル化というか、誰でもできるようにしないとあかんよね。
そうそう。お客さんがなぜ選んでくれたかっていうのを考えた時に、「吉田さんだから」とか「雨森さんだから」っていうではダメ。もちろん、はじめはそれでしかないけどね。
ただ、納品にいたるまでの過程が明確に体系化されていて、成果物の品質も担保できるような、完璧なマニュアルなんか、ありえるんかな。その人なりの微妙なニュアンスとかさ、提案の時のちょっとした言葉尻とか、マニュアル化、ぜったいに無理(笑)
うん。まあ基本となる部分があって、その上にその人なりの個性が乗るカタチになるよね。

もともと大の仲良しである2人。対談は、終始、和やかに進みます。

同じ規模の会社を経営する同士、盛り上がって仕方ない!
酒井くんと2人で創業して、今はもうひとり若いスタッフもいるよね。
うん。俺と酒井の大学の後輩。新卒で入社して、いま3年目かな。
人を増やそうと思ったのには、なにかきっかけがあるの?
単純に忙しくなって、俺のアシスタントが必要かなって。でも採用なんかしたことがなかったから、大学でお世話になった教授に紹介してもらったんよ。
そういう縁がないと、俺らの規模の会社なんか、なかなか採用は難しいよな。しかも、ずっと2人でやってきた組織の3人目は、100人の101人目とはわけが違うよね。雇われる側にもプレッシャーがあるやろうし。
そうそう。だから「入社してくれてありがとう」っていう気持ちがめっちゃ強い。
うん。すごい分かるわ。
こっちがへりくだってしまうよな(笑)
そうそう。だからお給料もできるだけあげたい。世の中の社長がこういう気持ちやとは思ってなかったよね。自分が雇われの身やった時は、社員の給料なんか上げずに、自分の懐に入れたいのが社長やと思ってた(笑)
うん。マジでできるだけ払ってあげたいって、心から思うわ。どれだけ褒めたって、安月給で働かせるのは違う気がするからな。
でも、確か無印良品の社長の本に「お給料はモチベーションにならない」って書いてたよ。確かに額面だけ見たら、高いところはくさるほどあって、それらとは絶対に戦われへんしな。
じゃあ、やりがい的な?
うん。その本では、コミュニケーションが一番大事って書いてたような。ちゃんと評価してくれたり、逆にダメな時に叱ってくれたり。グーグルとかアマゾンに転職したい人が多いのも、給料面っていうよりは、「自分より無能な上司っていう環境が耐えられない」っていう理由が多いみたいよ。
俺もそれに近い話を、とある社長から聞いたことがあるな。お金をもらった時の喜びって一瞬で消えるって。でも体験を通した喜びはずっと残る。スタッフにボーナスを渡した時は「ありがとうございます!」って喜ぶんやけど、そんなの1ヶ月もしたら消えてるって。
ああ、それはそうやね。もちろん額とかにもよるやろうけど。
だからその会社は、大きな利益が出たら、全員で旅行にいくらしいねん。それで体験を与える。沖縄に2泊3日で行く、みたいな。
なるほどな。でもそれも、若いスタッフから「その2泊3日の旅行代を、現金でくれよ」って思われそう(笑)
わかるわかる(笑)
「どうせ行くなら、お前らじゃなくて、彼氏と行きたいわ!」って(笑)
だから、その2泊3日に間違いないコンテンツを放り込む必要があるよね。「こんな楽しい旅行は、産まれてはじめて!」っていうくらいの。
それ、自信、なし! ぜったいに彼氏と一緒の方が楽しい!(笑)
たしかに(笑)。でも、旅行に行くことを決めたら、行き先の希望を募って、全社員に発表されて、多数決で決めるんやって。その後、旅行先でのコンテンツも、みんなで出し合うって。すごい面白いと思う。
そうやね。短期的にみたら、ちょっと面倒って思うかもしれないけど、長い目でみたら、そういう取り組みをしている方が、愛社精神みたいなものも育まれるのかもね。

テーマ3『時代と逆行してまで、貫きたいもの。』

3年目のスタッフは、今は吉田くんのアシスタントをやっているってこと?
最初はその予定やったんやけど、現状はちょっと変わってきたかな。
彼はまた別のことをやってるん?
うん。専門ってわけではないけど、グラフィック系は彼に任せるようになってきた。
へ〜。そういう仕事の依頼があるんや。
いや、これまでは平面のデザインは受けてなかったけどね。たまたま1件だけそういう仕事をやることになって、それを任せたらすごく頑張ってくれて、クオリティもいいものが上がってきた。クライアントも喜んでくれてたし、彼としても嬉しいかなと思って。
それぞれに専門領域を持つ2人の中に新人が飛び込んできたわけやから。自分が貢献できるところがあるのは、ぜったいに嬉しいよな。
そうやねん。自分の活躍できる領域が確立できたのは、彼の成長においても重要なことやったと思うよ。今は、彼が平面のデザインをできるようになっているから、例えば、俺が飲食店の内装を設計したとして、そこのメニュー表とか看板、あとはロゴの提案までできるようになった。
あ、なるほどね。まあでも、俺らみたいな小さい規模の組織において、育成はほんまに難しいよな。俺ら自身がずっと忙しいから、そのための時間もしっかりと確保できないし。
そうやね。そもそも俺のやり方が部下にとってベストなんかな、みたいなことも考えてしまうし。あと新卒で入った子やから、社会人としてのルールみたいなものも教えてあげないとあかんしね。
ビジネスマナー的なこと?
そう。それは酒井がやってくれてるけど。俺はちゃんと会社員として働いた経験が少ないから、そういうの、かなり疎いねん(苦笑)。昔、ふとした時に、酒井に「なんでそんなマナーまで教えるの?」って聞いたことがあって。そしたら「もし彼がうちをやめて、次の会社に行った時に、うちの株を落とさないためですよ」って言われて。めっちゃ納得したわ。
ほお、なるほど。
つまり「お前が前にいたスライムデザインっていう会社は、こんな基本的なことも教えてくれないようなところなのか」って思われないようにするのが、うちにとっても大事なことやって。俺なんか、打ち合わせに来てくれる営業マンが、わざわざコートを脱いでから会社に入ってくるのを見て「変わった人やなー」って思ってたからね(笑)
そっか。ある程度は教える義務があるんかな。でもさ、俺らみたいなクリエイティブに関わる仕事をしてたら、そのへんは多少ゆるくても許されるやん? 俺はフロントとなる業務もするけど、ヒゲもそのままやし、場合によっては打ち合わせも半ズボンでいく。「マナーはできませんが、誰もが足をとめる広告物はつくれます」って言えるなら、それでええと思ってるから。
まあそこまで言えるようになるならね。
うん、でもそれは無理やな。マナーを教える方が、よっぽど簡単や(笑)

オフィスには、愛息子の作品が。泣かせる!

いつでも笑顔が弾けています。それが吉田くんのいいところ!
そもそも会社を大きくしたいっていう気持ちはある?
めちゃめちゃ大きく、とは思ってない。でも、ワンボックスカーに乗り切れるくらいまでは、増やしたいかな(笑)
なんや、その尺度(笑)
簡単にいうと、社長と社員の距離感を遠くしたくなくて。わりと古い考えなんやろうけど。
まあね。
新卒の子を入れた時に感じたんやけど、例えば従業員が100人いる会社のトップって、その人たちの家族のことまで、考えられへんやろうなって。
絶対に無理やろね。100人どころか、20人とかでも怪しいと思うで。
俺はそれがちょっとイヤやねん。それぞれの奥さんの名前とか、子どもの名前、若手なら彼女ができたとか、そういうことを知りたいんよ。
確かに時代に逆行してるな(笑)
そうやねんけど、だからこそっていうか。最近の会社って、ドライやん?「最近、どう?」とか「彼氏、できたらしいやん」とか、軽く話かけるのも、アウトとされてたり。
プライベートな話題は避けた方がいいよね。たしかにパワハラ、セクハラのラインは越えたらあかんけど、そういうコミュニケーションが活発である状態とか、それをNGとしない雰囲気がある方が、俺もいいけどね。
うん。社員の中でも、誰がどんなデザインをしたかが分からないっていうのは、どうなんやろって。やっぱり一つの案件が終わった「飲みに行こうや!」って言いたいし(笑)

オフィスビルの壁面には巨大アートが! 一見の価値、ありです。
経営者として、部下たちに思うことはある?
自分の中で変化はあったよ。お給料を払う立場になってから、しばらくは「もっと会社のことも考えてくれ!」って思う時があった。でも今は真逆で「会社のことは、考えなくていい!」と思ってる。
それはつまり、個人のパフォーマンスが上がれば、必然的に会社の利益にもつながるからってこと? チームからホームラン王が出れば、それはチームの勝利にもつながりやすいわけで。
そうそう。それに自分が組織にいたときも、会社のことまで考えて仕事なんかしてなかったもん。それが、経営者になった途端に、部下に求めるのは、勝手な話やなって。
まあね。俺もサラリーマンをしてた時は、自分のステップアップだけが関心事で、会社の利益なんか正直ぜんぜん考えてなかったわ。つまり経営者は、スタッフが個々のスキルを発揮できる環境をつくるのが仕事ってことやね。で、社員たちは、自身の力を伸ばして、それを発揮していくのが仕事やと。
特にプレイヤーとして成長期にある若い世代は、会社の売上なんかより、自分がどれだけ伸びていくかが大事やからさ。
世の中では、働き方改革が叫ばれてるけど、その辺は、どう? 俺は自分が若い頃に、ガンガン徹夜して、ガンガンアウトプットして、みたいな感じで、それがあったから成長できたと思ってる。でも今はそんなことは求められない時代やから。
うん。それは求めたくないし、そういう働き方はさせてないよ。
ただ、吉田くんにもそういう時代があって、「この環境から早く抜け出したい!」っていう反骨心みたいなものが、成長の糧になったんじゃないの?
もちろんそうやけどね。でも今は100本ノックをこなすんじゃなくて、10本を集中して受けるのが大事って思ってるかな。
そうやね。俺なんかは、いつかスタッフがうちの会社を辞めて、転職したり、独立したりするかもしれないって考えた時に、個としての能力が高まっていることが、その子にとってもいいと思ってるから。そう考えると、やっぱり歯を食いしばって、時間をかけるっていうのは、一つの手段としてあるって今だに思ってしまう。とはいえ、俺が若い頃みたいには、働かせてないけどね。
でも逆に言うと、今の若い世代は難しさがあると思うよ。俺らを含めたこれまでの世代は、そうやって成長してきたけど、今はNGになったからさ。当然いいパフォーマンスは出さないといけない。でも「定時で帰れ」って言われる。「どないしたらええねん!」って(笑)。俺らみたいに徹夜していた時代とは違う難しさがあると思うよ。

いい感じの路地ですね。この後、一杯いくのかな?
これからの経営の方針とかはある?
まずは、自社ブランドを持っているわけやから、そこでしっかりと利益を出していきたいよね。数をつくれば、ある程度の売上を想定できる仕組みをつくるために頑張ってるところやわ。
会社を運営していくベースとなる部分は、クライアントワークではなくて、自社ブランドで稼げるっていう状態をつくれれば理想よね。すこし発注が滞る時期があっても、大丈夫っていう。それがあればいろんな余裕ができて、本業の方もより活性化していくと思うし。
そうそう。だからDOOGOO®には力を入れていきたい。ひとつやっていることがダメになっても、倒れない状態をつくらないとね。まあ少しずつやけど、カタチになってきてるし、もちろん僕が担当している店舗の設計に関わる仕事も、ありがたいことに発注をいただけてるから、それもきちんと対応しながら。
そうやね。俺らもそうやし、スライムデザインもそうやと思うけど、営業をして仕事をとってきているわけではないからさ。結局は今ある仕事に対して、誠実に、高いクオリティを保てるかっていうことよね。じゃあまた『ドーグー』の新作、楽しみにしてるわ!
いや! 『ドーグー』じゃなくて、『ドゥーグー』ね!! そこ、めっちゃ大事やから!!!!
あ、ごめんごめん、『グードゥー』ね。期待してる!
いやいや、だから『ドゥー』『グー』ね!

(おわり)

SPEAKER’s Note

雨森武志

雨森武志
株式会社アイタイス 代表取締役

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ベースはめちゃめちゃふざけつつ(下ネタとか、満載!)、急に、照れることなく、グッとマジメな話ができる。吉田くんとの関係は、ずっとそんな感じです。今回の対談も、取材に同行したカメラマンから、ラジオを聞いているみたいだった(僕はかつて、ふざけてばかりのネットラジオをやっていました)と言われました。同じ規模の組織を運営している社長友達として、これからオッサンになっていっても「ふざけ:7、マジメ:3」くらいで話せる関係を続けましょう! あ、やっぱり「ふざけ、8」くらいで!!

吉田龍司
slyme design Inc. 代表取締役

アメヤンとは知り合ってもう20年くらいになります。アメヤンが東京に行ってから、なかなか頻繁に会うことはなくなったけど、節目節目でいろんなことに声をかけてもらって、久しぶりに会っても、昔のまんま。バカな話からマジメな話まで。いつも刺激をもらえる存在です。

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