お花見もお買い物もままならず、悲しい話題ばかりが際立つ今年の3月。
でも、気持ちを切り替えて、いつもと同じく元気にやっていきましょう! 月1フリーコラムです。
今日はヘッドホン・イヤホンをつけてお楽しみください!
さて、わたくしごとではありますが、約5年前の2015年3月14日。
僕はザ・リッツ・カールトン大阪で、結婚式を挙げました。
ほんと、「僕ごときが、こんなに!?」っていうくらい、贅沢で華やか。
我ながら、それはもう偉くたいそうな式だったんです。
今日は5周年ということもあって、その式で使ったBGMを紹介するという誰得かわからない内容で行きましょう。
いや、式のBGMを決める作業は、意外に大変。
とくに音楽に造詣が深い人ほど、悩んでしまう工程です。
もしかしたら、ちかぢか結婚式を控えて、頭を悩ませている人のチカラになれるかも! いや、ならないかも!!
まずは披露宴から
かくいう僕も、すこし偏ったジャンル専門でしたが、
若い頃に音楽ライターをやっていたこともあるくらいで、
一般人と比べると、少しは音楽に詳しいと自負しております。
その中で培った膨大な情報量を駆使し、
自宅のiTunesとにらめっこをしながら、十数曲をセレクトしていきました。
まずは披露宴。ここでは、会場の雰囲気を考慮し、あまりカジュアルになりすぎず、
かつ、あまりマニアックで尖ったセレクトではなく、でも俗っぽいのもイヤ。
その上で、できれば「あ、なんか聴いたことがあるかも」と思えるもの。
そんなチェックポイントを設けて、選んでいきました。
最初は、ゲストが会場入りする際に流すもの。この4曲を用意しました。
つまりこれらは、控室にいる僕たち新郎新婦は聴いていません。
ビョークにマッシブ・アタック、アリシア・キーズ。
この4曲の共通するキーワードは「荘厳」です。
別に、式そのものを厳かにしたかったわけではありませんが、
ゲストの方々の気持ちを高めるためには、この辺りがちょうどいいのではないかなと。
次に、早くもハイライト。新郎新婦入場時の曲です。
もっとも重要とも言えるところではありますが、実はあまり悩むことなく決まりました。
先ほど書いた通り、結婚式という場が持つ意味や、
かのリッツ・カールトンの一番大きな会場が持つ格調高い雰囲気を考慮し、
あまりくだけた感じやポップな感じににならず、
でも「パパパパーン!」的な“ザ・ウエディング”な曲や、
カジュアルさを排除しただけの、「クラシックの名曲です!」みたいなのも、僕のプライドが許さない。
ある程度の“品”と、できれば軽快なリズムがある曲……と考えた結果、僕の中ではこれしかありません。
今回、この後、まだまだたくさんの曲が出てきますが、間違いなくこれがベストセレクトでしょう。
音楽ライターをやっていた時に、少し話したこともある吉澤はじめさんの「Rise Me Up」。
この曲は本当にいいですね。おそらく一般的には知られていないとは思いますが、
今後、新郎新婦入場のアンセムとして扱われていってもいいのではないでしょうか。
流麗なストリングスと、軽やかなリズムトラック。この曲が思い浮かんだ自分を褒めてあげたい!
最初の「Rise Me Up!」に合わせて会場の扉が開いたときの光景が、今でも目に浮かびます。
さて、続いては乾杯の唱和に合わせて流す曲です。
ここは割と元気で、勢いのあるものを選びたくて、ビリー・ジョエルにしました。
まあ誰もが知る1曲ですね。KANの「愛は勝つ」の元ネタになったことでも知られる「Uptown Girl」です。
開場に「カンパイ!」という声が響くのと同時に、
イントロの「タタッタ、タツン!」とドラムが鳴る。そんなイメージです。
おそらくこの後、歓談の時間などがあり、次にウェディングケーキ入刀です。
ここも、特に我々の世代では押しも押されもせぬ、名曲を選びました。
はい。みんな大好き「Whatever」ですね。
もちろんオアシスはロックというかポップスというか、そういう意味ではちょっとカジュアル寄りなのですが、
この曲は壮大なストリングスも印象的で、また多くの人の耳馴染みもあり、よかったのではないかなと。
このPVのときのギャラガー兄弟、2人とも眉毛が完全につながっていますね(笑)
さあ、まだまだ続きます。どんどん行きましょう!
続いては、お色直しのために、新婦がいったん退場します。その際に流れたのが……
ピチカート・ファイヴです。
そう、今回ピチカート・ファイヴにはかなりお世話になりました。
最初に挙げた、カジュアルすぎず、割と耳馴染みもあって、俗っぽくもない。
そんな条件にピチカートが当てはまりまくりで、この後も何曲も出てきます。
単純にオシャレでいいですよね。
そして、新婦が退場した後、しばらくしてから、今度は私、新郎もいったん退場です。
母と2人の姉と手を取り合い、会場に並べられた席の間を歩いて出口のドアへと向かいます。そこでは……
はい。まあこれも説明は不要のクラシック、「Can’t take my eyes off you」です。
このYOUTUBEの映像、めちゃめちゃダサいですけどね(笑)
さあここから折り返し。お色直しの後の再入場は、最初の入場に負けない、もう一つのハイライトですね。
ここは、おなじみのあの曲です。
はい。YUKIちゃんの「JOY」です。
やはり入場なので、リズムが軽快なものがいい。
でも、ちょっと気取ったハウスやテクノを選ぶのも恥ずかしい。
そんな観点から言って、これも100点満点のセレクトだったと思います。
ほんと、いい曲ですよね。歌詞もよければ、トラックもすごくいい。
YUKIちゃんの見た目の可愛さが、逆にじゃまになるくらいの、良曲です。
ここでは単に入場するだけでなく、各席を回りながらキャンドルサービスをするということで、
わりと長い時間を要します。ということで、もう1曲、用意したのが……
フリッパーズです。
今思うと、ピチカートといい、フリッパーズといい、オシャレさの狙い方が少し安直ですね(笑)
お色直しが済んだ後は、余興などがあり、しばらく僕が選んだ曲が活躍する場面はなし。
一通り楽しいコンテンツが行われた後、式はエンディングへと向かいます。
まずは、新婦のメッセージ。少ししんみりとするこのタイミングで流れたのは……
くるりです。岸田繁氏が「ここ数年でいちばんいい曲を書いた」と話した「奇跡」。
是枝監督の『奇跡』の映像が使われたPVもいいですね。もう一度、映画を観たくなります。
さあ、どんどんと佳境へと向かいます。次は親族への花束進呈。
私もガッツリと泣きました。エヘ。まあ、グッと来ますよね、ここは。
そんな感動のシーンを演出してくれた曲は……
これも説明不要でしょう。カーペンターズの「I Need To Be In Love」ですね。
「青春の輝き」という邦題の付け方は、正直かなり大味だなとは思いますが、
カーペンターズの中でも不朽の名曲だと思います。
なみだ涙の花束進呈があり、僕の父親によるグズグズの挨拶があり(笑)、
僕自身の締めの挨拶があり、最後に新郎新婦の退場です。そこで流れたのは……
またまた説明不要ですね。ジョン・レノンの「woman」です。
ヨーコに向けたジョンの甘い甘い言葉が会場に響く中、
我々はその場を後にし、人生でたった一度、最高の瞬間は終わって……
いきません(笑)
この後、エンディングムービーが流れ(ちなみにその映像で使われたのは、槇原敬之の「僕が一番欲しかったもの」)、
ゲストが退場するタイミングでかけるBGMがあります。
100人弱のお客さんが、それぞれのタイミングでゆっくりと出ていくわけで、
それだけで、けっこうな時間がかかります。用意したのは5曲。
はい、ハジマリます。
ピチカート・ファイヴまつりじゃー!
という感じです。
このとき、我々新郎新婦は、すでに会場の外でゲストのお見送りをしているので、
この5曲がどこまで流れたかはわかりません。
とにかく、便利ですよね、ピチカート・ファイヴは。
オシャレで、わりと“ちゃんとしてる”イメージもあって。
あー、ピチカート・ファイヴのCD、たくさん持っててよかった。
こうして多くの名曲とともに行われた披露宴が幕を閉じます。
そして、その数時間後、少しだけ移動した場所にあるカフェで行われたのが……
二次会!
まだまだ終わりませんよ! そうです。披露宴の次は、二次会もございます。
プロデュースをしてくれたのは、株式会社BHFの廣瀬君ひきいる「FOR U」。
二次会用に揃えた曲たちも、披露宴ほど細かくはないですが(もう、疲れました・笑)、紹介していきましょう。
まず、開場してから、新郎新婦が登場するまでのタイミングでかけるもの。
ゲストの皆さんを、上げて、上げて、上げまくるために、この4曲です。
電気グルーヴとアンダーワールドの代表曲を2曲ずつ。
っていうか、やっぱり電気グルーヴに関する映像は、オフィシャルのもの、ぜんぜんないですね。
ピエール……
で、続いては、新郎新婦の入場です。
ここではベースラインが美しいこのダンストラックを。
名曲「Love Is Everywhere」のKJMリミックスですね。
これを始まりの合図に、またまた楽しい時間がスタートです。
はっきりと記憶はないのですが、二次会では、「この時は、これ」と明確にかける曲を決めていたわけではなく、
こちらでイメージした曲をドサっと用意して、それをプロデュースするFOR Uの方におまかせで流してもらっていたと思います。
その、ドサッとお渡しした曲たち。リストになったものがありました。
ロックンロール / くるり
Baby Portable Rock / Pizzicato Five
Fatboy Slim / Praise You
Imaginary Folklore / Nujabes
You Can’t Hurry Love / The Supremes
幸福論 / 椎名林檎
ラヴぃ / リップスライムとくるり
Magic Love / フィッシュマンズ
スカートの砂 / UA
COSMIC DANCE Feat. HALCALI / □□□
Beautiful Days(Famale Vocal Version)(featuring vocal_Yoshie Nakano) / Fantastic Plastic Machine
ハミングがきこえる / カヒミ・カリィ
光と私 / CHARA
Everyday / The Avalanches
Beyond The Sunshine / hajime yoshizawa
Home Sweet Home / YUKI
o.A.o / くるり
正夢 / スピッツ
やはり披露宴のときと比べると、“格式”みたいなものは考慮せず、だいぶカジュアルな感じになっていますね。
ま、こっちは友達ばかりで、場所もカフェなので。
以上です! は〜、疲れた!!
後半、だいぶ端折りましたが、もう疲れました(笑)。今日はこの辺りにしておきましょう。
改めて、披露宴で使用した曲をずらっと一覧にしておきます。
All Is Full Of Love / Bjork
Hymn Of The Big Wheel / MASSIVE ATTACK
Joga / Bjork
No one / Alicia Keys
Rise Me Up / Hajime Yoshizawa Feat. Akiko
Uptown Girl / Billy Joel
Whatever / OASIS
Sweet Soul Revue / pizzicato five
Can’t take my eyes off you / Boys Town Gang
JOY / YUKI
恋とマシンガン / Flipper’s Guitar
奇跡 / くるり
I Need To Be In Love / Carpenters
Woman / John Lennon
陽の当たる大通り / pizzicato five
Week End / pizzicato five
東京は夜の7時 / pizzicato five
It’s a Beautiful Day / pizzicato five
Playboy Playgirl / pizzicato five
ってな感じですね。どうですか! 結婚式を控えて、参考になった人はいますか? お役に立てれば幸いです。
今日わかったことは……
持つべきものは、ピチカート・ファイヴのCD!
(と、少しの電気グルーヴ)
ではまた来月に。
Editor’sNote
五反田に小さなオフィスを構えるブランディング&クリエイティブカンパニー、アイタイスの代表です。